アストン・ホンダ、レッドブル的な新体制で2026年F1開幕へ。アロンソとストロールの現場支援を倍化

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2026年シーズンの開幕を前に、アストンマーティン・ホンダは現場のエンジニアリング体制を再編したようだ。欧州の複数の専門メディアによると、プレシーズンテストで度重なる信頼性トラブルに揺れるなか、チームはフェルナンド・アロンソとランス・ストロールを支えるエンジニア陣の強化を決定した。

チーム代表を務めるエイドリアン・ニューウェイが、チームを理想とするレベルに引き上げるための取り組みを進める中、アストンはトラックサイドのエンジニア体制を拡充。各ガレージに、より上級職を配置する”二重体制”を敷くことで、パフォーマンスの向上を狙う。

14号車のガレージでは、2023年からの2年間にわたりアロンソのレースエンジニアを務めていた現チーフエンジニアのクリス・クローニンが、シニア・レースエンジニアを兼務する。彼の後任として2025年にアロンソのレースエンジニアに就任したアンドリュー・ヴィザードを従える体制となるが、アロンソとの無線交信はクローニンが担当する見通しとされる。

これは、レッドブルで現場責任者を務めながらマックス・フェルスタッペンのレースエンジニアを兼任するジャンピエロ・ランビアーゼの役割を彷彿とさせる。

アストンマーティンF1チームのチーフエンジニアを務めるクリス・クローニン、2025年F1オーストリアGP FP2(レッドブル・リンク)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーティンF1チームのチーフエンジニアを務めるクリス・クローニン、2025年F1オーストリアGP FP2(レッドブル・リンク)

スプリント前のグリッド上で話すフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とレースエンジニアのアンドリュー・ヴィザード、2025年F1中国GP(上海インターナショナル・サーキット)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

スプリント前のグリッド上で話すフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とレースエンジニアのアンドリュー・ヴィザード、2025年F1中国GP(上海インターナショナル・サーキット)

また、ストロールの18号車側では、経験豊富なゲイリー・ギャノンがシニア・レースエンジニアに昇格。その直下で実務を担うレースエンジニアには、2019年からチームに在籍し、パフォーマンス・エンジニアを務めていたスティーブン・グラスが新たに任命された。

ガレージ内で話すレースエンジニアのゲイリー・ギャノンとランス・ストロール(アストンマーティン)、2025年F1日本GP(鈴鹿サーキット)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

ガレージ内で話すレースエンジニアのゲイリー・ギャノンとランス・ストロール(アストンマーティン)、2025年F1日本GP(鈴鹿サーキット)

バルセロナおよびバーレーンでの過去2回のテストを終え、アストンの足元には課題が山積している。これまでの周回数は全チーム最少にとどまり、ペース不足にも苦しむなど、3週間後に控えるシーズン開幕に向けて時間との戦いに直面している。

苦境の背景としては、アストンにとって久方ぶりとなる自社設計・製造のギアボックスの脆弱性を指摘する声もある。新時代のF1ではコーナー進入時にアグレッシブなシフトダウンが求められるが、この高負荷に耐えきれない可能性が取り沙汰されている。スペイン紙『MARCA』は専門筋への取材を元に、ギアボックスの再設計には約6カ月を要する可能性があると伝えている。

18日(水)から始まるバーレーンでの2回目のテストにおいては、多くのチームが予選およびレースシミュレーションに移行するなど、より実戦を見据えたプログラムに取り組むと予想される中、頻発する初期トラブルを解消し、開発及び今後の作業に向けたベースラインを見出すことが優先課題になるとみられる。

アロンソは今回のテストで、初日午後のセッションと2日目の全日を担当する見通しだ。日中よりも気温が下がり、コンディションが大きく変化する夕刻のセッションをアロンソに託したのは、より実戦に近いコンディションでの走行で、経験豊富な彼のフィードバックを得るためとみられる。

”空白期間”の代償に苦しむホンダと、ニューウェイの設計思想を具現化しようと奔走するエンジニアたち。アロンソの無線に再び響くであろうクローニンの声は、アストンの長く険しい巻き返しの合図となるのだろうか。