
ニューウェイは表に出ない? アストン・ホンダの”F1顔役”にデ・ラ・ロサが就任
2026年シーズンのF1において、アストンマーティン・ホンダの“顔役”を担うのは、チーム代表を兼任するエイドリアン・ニューウェイではなく、元F1ドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサとなるようだ。
ニューウェイが昨年末、チーム代表職を兼任すると発表された際、その実効性を疑問視する声は少なくなかった。F1におけるチーム代表の職務は、人事、スポンサー対応、メディア対応、ファンイベントへの出席、さらには取締役会への参加など、多岐にわたる。
史上屈指の空力デザイナーとして知られるニューウェイに、こうした業務で時間を割かせることは、本来の起用目的と乖離する。
一方でニューウェイ本人は、代表職に就きながらも「設計に専念する」と繰り返し主張してきた。実際、チーム側が説明するニューウェイの役割は、「トラックサイドでのマシン運用を含む技術チームの指揮」に限定されている。この説明には、スポンサー対応やメディア業務、組織全体のマネジメントといった一般的な代表職の職務は含まれていない。
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
フェルナンド・アロンソとエイドリアン・ニューウェイ(マネージング・テニクカル・パートナー)、2024年9月10日アストンマーチンF1記者会見
こうした役割の一部を、デ・ラ・ロサが肩代わりする見通しだ。
チームによれば、デ・ラ・ロサは従来のアンバサダーとしての役割を継続しながら、「チーム代表者(Team Representative)」としてメディア対応を担う。アロウズ、ジャガー、マクラーレン、ザウバー、HRTで通算105戦を戦った経験を持つ元F1ドライバーが、記者会見への出席やメディアインタビュー対応など、広報上の対外的窓口を引き受ける形となるようだ。
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
ガレージ内でセッションを見守るアストンマーチンのチームアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサ、2023年3月17日F1サウジアラビアGP FP2
日本語ではしばしば「チーム代表」と一括りにされるが、責任者としての「チーム代表」を指すのは「Team Principal」だ。デ・ラ・ロサの役職はこれとは異なり、組織の最終意思決定者ではない。この役割は、かつてアルファロメオでアレッサンドロ・アルンニ・ブラービが担っていたポジションと同種のものと推測される。
技術面はニューウェイ、対外対応は別の人物という役割分担は、アストンマーティン・ホンダが2026年の新体制を現実的に運用するうえでの当然の帰結と言える。ただし、その役割を担うのがデ・ラ・ロサというのは、少しばかり意表を突く人事といえるかもしれない。