
リアム・ローソン、”生理現象”との戦い乗り越え「ガン無視走法」で雨のバクーを攻略…クリス・エイモン以来49年ぶり快挙
リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)は、2025年F1第17戦アゼルバイジャンGP予選で自己最高の3番手を記録した。だがその裏では、2時間近くに及ぶ長丁場で思わぬ“強敵”と戦っていた。
2時間の予選、襲いかかった生理現象
この日の予選は計6度の赤旗によりたびたび中断され、午後4時に始まったセッションが終了したのは午後6時近く。ローソンはその間、“尿意”という名の生理現象と格闘し続けていた。
「正直、何時間にも感じたよ。予選に入って2ラップ目の段階から、トイレに行きたくてしょうがなかったんだ。本当にキツかった」と苦笑交じりに振り返った。
F1ドライバーにとって、レース中やセッション中の生理的現象は珍しくない課題だが、これほど長時間にわたって我慢を強いられる状況は稀有だった。何しろ、今季これまでのどのレースよりも長かったのだから。
高速市街地コースとして知られるバクーでは、一瞬の集中力の欠如が命取りになる。時速300km超で駆け抜けるストレートや、テクニカルなコーナー群を攻略するには、完璧な精神統一が求められる。そんな極限状態で、ローソンは身体的な苦痛と戦いながらマシンを操り続けた。
小雨のQ3「無視して攻めた」
前戦イタリアGPではQ1敗退に終わったローソンだが、その反省を踏まえ、リスクを取りすぎず、セッション全体を走りきれるだけの十分な燃料を積み、周回を重ねながら計測ラップを走る戦略を取ったという。
この慎重なアプローチが、突風や黄旗、そして赤旗が続出する混乱の中で功を奏し、Q3進出へとつながった。
ただし、最終ラウンドではこれに小雨が加わり、路面コンディションの変化に誰もが苦しんだが、ローソンは最終ラップで「ガン無視走法」を決め込んだ。
「一番難しいのは、雨が降り始めて、バイザー越しに水滴が見え、路面が光り始める時なんだ。頭ではグリップが落ちると感じてブレーキを早めたくなるけど、実際はタイヤに熱が残ってるからそんなに落ちたりはしないんだ」とローソンは振り返る。
Q3残り3分41秒の赤旗提示時点でタイムを残していたのは、ローソン、チームメイトのアイザック・ハジャー、そしてカルロス・サインツ(ウィリアムズ)の3名のみ。
ローソンは暫定2番手につけていたが、再開後にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が逆転でポールを奪取。それでも最後のアタックで自己ベストを更新し、1976年スウェーデンGPでクリス・エイモンが記録した予選3番手以来となるニュージーランド人ドライバーの快挙を成し遂げた。
「カルロスとは違って、僕はQ3の最初のラップで最大限を引き出せなかった」とローソン。「最終ラップは少し雨が降っていたけど、僕はそれを完全に無視して走り続けた。雨なんて降っていないって思い込んで攻めたらうまくいったんだ」
Courtesy Of Red Bull Content Pool
予選後のパルクフェルメでクルマから飛び降りる3番手リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)、2025年9月20日(土) F1アゼルバイジャンGP(バクー市街地コース)
決勝はキャリア初表彰台を懸けて
長時間の予選で生理現象とも戦いながらつかんだ自己最高位3番手。ローソンはその勢いを武器に、キャリア初の表彰台をかけて決勝へ挑む。その先に、来季のシートがあることを願いながら。
2025年F1アゼルバイジャンGP予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、3番手にリアム・ローソン(レーシング・ブルズ)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間9月21日(日)20時にフォーメーションラップが開始され、1周6003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。