ピットストップ練習に取り組むフェラーリのピットクルー、2025年8月28日(木) F1オランダGPメディアデー(ザントフォールト・サーキット)
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

ルクレールが恐れる“再発の現実”―フェラーリに内在する根深い問題、判明したハンガリー失速の「2つの原因」

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フェラーリのシャルル・ルクレールは、2025年F1第14戦ハンガリーGPにて見舞われた技術的なトラブルについて「短期間で解決できるものではない」とし、今後も繰り返される可能性があると認めた。

ルクレールはハンガロリンクで衝撃的なポールポジションを獲得したものの、決勝では突如、深刻なペースダウンに見舞われ、マクラーレン勢とジョージ・ラッセル(メルセデス)に追い抜きを許し、表彰台を逃す4位に終わった。

ラッセルは、フェラーリがルクレール車の車高を極端に下げた結果、プランク摩耗のリスクが高まり、その対策としてタイヤ内圧の引き上げやエンジンモードの制御を強いられたことが失速の要因ではないかと指摘している

ルクレールは第15戦オランダGPを前に、問題の詳細を明かそうとはしなかったが、今後も対処し続けなければならない問題だと認めた。

パドックゲートを通過するシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年8月28日(木) F1オランダGPメディアデー(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Ferrari S.p.A.

パドックゲートを通過するシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2025年8月28日(木) F1オランダGPメディアデー(ザントフォールト・サーキット)

「これが最後ではない」危機感を口に

ルクレールは「ブダペストの時みたいに、優勝を争っている時にこの手のトラブルに見舞われると余計に辛い。でも、この手のトラブルが出たのはこれが初めてじゃないし、おそらくこれが最後でもない」と語った。

そのうえで「もっと良くできたであろう部分については理解できたから、これからはなるべく避けられるようにしていきたい」と述べ、学んだ改善点を次戦以降に活かす考えを示した。

失速をもたらした2つの原因

フェラーリはハンガリーGP後にマシンをマラネッロに持ち帰り、詳細な調査を実施した。その結果、車体に破損は確認されず、最終ピットストップで施した変更が原因となった可能性が高いと結論づけた。

チームによれば、最終スティントで使用したタイヤの空気圧を上げたこと、さらにフロントウイングを調整したことの2点が、予期せぬバランスの乱れを招き、マシンの挙動を悪化させたという。

これらの変更理由は明かされていないが、シーズンを通して課題となってきた「プランク摩耗」を抑えるための措置だった可能性が高い。これはラッセルの推測とも一致する。

タイヤの空気圧を高めれば車高がわずかに上がり、プランクが路面を擦るリスクを低減できる。ただしその代償として、タイヤ接地面積の減少によるペース低下、バランス変化、タイヤ温度の上昇といった問題が発生する。

フェラーリは中国GPでルイス・ハミルトンがプランク摩耗によって失格処分を受けた経緯があり、それ以降、ライドハイトのセッティングにおいて安全策を優先せざるを得ない状況に置かれてきた。

後半戦の勢力図、掲げられた目標

ルクレールは問題の再発リスクを認める一方、2戦前のベルギーGPより導入された新型リアサスペンションに手応えを感じている。

「ハンガリーでの結果が受け入れ難いのは確かだけど、それもレースだ。スパやブダペストで前進できたのは確かだし、正しい方向に進んでいると思う。あとは日曜日に勝利という形で結実させたい」と意欲を示した。

ただし勝利のためには、依然として一歩先行するマクラーレンを打ち破らなければならない。

ルクレールは、「マクラーレンは僕らよりもかなり速い。でもメルセデス、レッドブル、そして僕らは接戦だ」と分析。夏休み前の2戦ではフェラーリが優位に立っていたとしつつも、後半戦でその勢いを維持できるかは不透明との見方を示した。

「目標は二つある。一つはできるだけ早くレースに勝つこと。もう一つは後半戦でレッドブルとメルセデスを打ち破ることだ」

その一方で「マクラーレンは依然として打ち破るべきチームであり、勝つのはかなり難しい」とも認めた。

課題と前進の両方が見えた前半戦。フェラーリが後半戦でマクラーレンを追撃できるかどうかは、プランク摩耗のリスクを如何にマネジメントできるかに懸かっていると言えそうだ。

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