
F1イギリスGP:YouTuberらが逮捕、展示F1マシンの器物損壊容疑で
2025年F1第12戦イギリスGPが開催されたシルバーストン・サーキットで、イギリス人YouTuber「Angryginge」ことモーガン・バートウィッスル氏(23)を含む3名が、展示中のクラシックF1マシンに対する器物損壊の疑いで現地警察に逮捕される騒動が起きた。
3名はいずれも不起訴のまま釈放されたものの、およそ15時間拘束されたとされる。SNS上では人気配信者が巻き込まれた事件として注目を集めている。
騒動が起きたのは、初日フリー走行が行われた金曜日。バートウィッスル氏は配信仲間の「Chazza」(チャーリー・クラーク氏)および「SamHam」(サミュエル・イミー氏)と共に、イベント会場からライブ配信を実施。映像では、クラーク氏が展示中のF1マシンのコックピットに無理やり乗り込み、3人で笑い合っている様子が確認できる。
該当車両は、そのリバリーから、かつて「ピンクメルセデス」とも評された旧レーシングポイント(現アストンマーチン)のF1マシンと見られるが、損壊の具体的な内容については明かされていない。
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左:メルセデスの2019年型マシン「W10」、最終アブダビGPにて / 右:レーシングポイントの2020年型マシン「RP20」、バルセロナテストにて
ノーサンプトンシャー警察はこの件について、「数千ポンド相当の損害」が発生したとして、3名を拘束したが、「徹底的な調査の結果、全員を釈放した」と説明している。
なお、事件当日の午後2時半ごろには、別の車両からステアリングホイールが盗まれる事件も発生しており、警察は関連が疑われる男性の画像を公開し、情報提供を呼びかけている。
釈放後、バートウィッスル氏は動画を通じて「本当にトラウマになった」と語り、器物損壊には関与していないと主張。また、起訴されなかったにもかかわらず、会場への再入場は許可されなかったと明かした。
また、拘束中の様子を次のように振り返った。
「『何か食べ物と飲み物いるか?』って聞かれて『何があるの?』って返したら、『カップラーメンがあるよ』って。しばらく寝たんだけど、となりの房のやつがいきなり壁叩き始めてさ。朝10時くらいかな、そしたらドアが開いて『もう出ていいよ、処分なし』って。取り調べもされてないし、15時間コンクリートの部屋にいただけ。最後は3人まとめて釈放。処分なし、それで終わりだった」
4日間にわたり開催された2025年のF1イギリスGPには、約50万人が来場。その期間中、30件を超える事件が報告され、20人が窃盗、器物損壊、暴行、薬物所持などの容疑で逮捕されたとされる。
2025年F1第12戦イギリスGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)が3番グリッドから優勝。オスカー・ピアストリが2位でフィニッシュし、マクラーレンが1-2フィニッシュを飾った。3位には自身初となる表彰台獲得を果たしたニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)が続いた。
スパ・フランコルシャンを舞台とする次戦ベルギーGPは、7月25日のフリー走行1で幕を開ける。