
角田裕毅が直面する「山積みの課題」一方で”幾つかの光明”も―マックスに0.666秒の大差で沈んだF1イギリスGP初日
2025年F1第12戦イギリスGPの初日プラクティスを終えた角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、予選が行われる2日目に向けて「やるべきことが山積み」であると認めた。
FP1を新人アーヴィッド・リンブラッドに譲った角田は、FP2から満を持してシルバーストンのコースに姿を現した。だが、チームメイトのマックス・フェルスタッペンから0.666秒もの遅れを取り、15番手で初日を終える厳しい滑り出しとなった。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
シルバーストン・サーキットを走行する角田裕毅22号車レッドブル・レーシングRB21、2025年7月4日F1イギリスGP フリー走行2
初日の感触について問われた角田は、「悪くはありませんでした」としつつも、考え込むように間を置いて、「ただ、明日に向けてやるべきことが山積みです」と続けた。その表情からは、楽観的な要素はあまり感じられなかった。
シルバーストン特有の強風に翻弄された可能性もあるが、ロングランでも目立ったペースを発揮できず、多くの課題を残すことになったのは間違いない。
一方で注目すべきは、角田とフェルスタッペンが異なるセットアップで臨んでいた点だ。角田はダウンフォース量の多いリアウイングを選択し、フロアにも仕様の違いがあったと見られる。今回投入された新型フロアは、フェルスタッペンのみが使用していると思われる。
角田は、「今回は2台でいくつか違いがあるので、データを分析して、明日に向けてどうパッケージをまとめるかが鍵になると思います」と語り、2台のマシンの比較を行い、ベストなセットアップを追求していくと説明した。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブルのマックス・フェルスタッペンと角田裕毅のリアウイングの違い、2025年7月4日F1イギリスGP フリー走行2(シルバーストン・サーキット)
楽観視していないのは確かだが、落胆している様子もない。「先週末は、レースまではクルマの感触も良く、ペースもあって、これまでで一番と言えるほどでした」と振り返り、現時点で必要なのは大幅な変更ではなく「微調整」だと強調した。
また、「ドライビングやセットアップの面で改善できる点がいくつか見つかった」とし、限られた走行時間のなかでも、解決に向けた糸口が掴めているとも示唆した。
予選が行われる2日目に向けては、降雨と気温の低下が予想されることに触れ、「助けになるかもしれません」としつつも、Q3進出については「簡単ではないと思います」と現実的な展望を示した。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
ガレージでエンジニアと話をする角田裕毅(レッドブル)、2025年7月4日(金) F1イギリスGP(シルバーストン・サーキット)
2025年F1イギリスGPの初日FP2をトップで締め括ったのはランド・ノリス(マクラーレン)。2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.222秒差で退けた。3番手にはルクレールのチームメイト、ルイス・ハミルトンが続く結果となった。
FP3は日本時間7月5日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってシルバーストン・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。