
アントネッリ、F1オーストラリアGP 4位奪還―新証拠を受けFIAが決定を覆す
2025年FIA-F1世界選手権の開幕戦オーストラリアGPにおいて、レース後の審議により5秒ペナルティが取り消されたことを受け、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが最終的に4位の座を取り戻した。
アントネッリはアルバート・パーク・サーキットでのレースを4位でフィニッシュしたが、ピットストップ時にニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)の進路を妨害したとして5秒ペナルティを科され、5位に降格。代わってアレックス・アルボン(ウィリアムズ)が4位に繰り上がっていた。
メルセデスはレース終了後、この決定を不服としてFIA国際競技規約第14条に基づき正式に異議を申し立てた。アントネッリのマシンに搭載されたロールフープカメラの映像が追加証拠として提出され、この映像がスチュワードの判断を覆す決定的な要素となった。
エンリケ・ベルノルディを含む5名の競技審判団は、メルセデスが提出した証拠が再審理の要件を満たしていると判断し、請願を受理。メルセデスおよびウィリアムズ・レーシングの代表者を召喚し、聴聞会を開催した。
当初の裁定では、メルセデスがアントネッリを危険な形でピットレーンに送り出し、ヒュルケンベルグが急ブレーキと回避行動を余儀なくされたとされていた。
しかし、ヘリコプター映像を含む追加の映像を含む新たな証拠により、アントネッリがピットレーンのかなり先でファストレーンに合流し、その前にミラーを確認してヒュルケンベルグとのクリアランスを確保していたことが確認された。
そのため、スチュワードはアントネッリに対するペナルティは不当であると判断。当初の裁定を覆した。これにより、アントネッリは本来の4位に復帰し、アルボンは5位へと順位を戻された。
2025年F1第1戦オーストラリアGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを果たして通算5勝目を獲得。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2位、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が3位という結果となった。
上海インターナショナル・サーキットを舞台とする次戦中国GPは、3月21日のフリー走行1で幕を開ける。フリー走行が一回のみのスプリント・フォーマットが採用される。