
2026年キャデラックF1シート争奪戦、候補は少なくとも「6名」ロードン代表語る
2026年のF1参戦が正式に承認されたキャデラックF1は、現在、ドライバーラインナップの選定作業を進めている。チーム代表のグレアム・ロードンは、「選考は実力重視で行う」と明言し、少なくとも6名の候補者と交渉を進めていることを示唆した。
コルトン・ハータ:最有力もライセンスが課題
最も有力な候補の一人として名前が挙がっているのが、インディカーに参戦するコルトン・ハータだ。アメリカ出身のハータは、キャデラックF1が掲げる「真のアメリカンチーム」というコンセプトに合致する存在と言える。
だが、ハータは現時点でF1参戦に必要なスーパーライセンスポイントを満たしていない。2024年のインディカーでランキング2位となり30ポイントを獲得したものの、2026年のF1参戦にはさらに9ポイントが必要となる。このため、2025年にシリーズ4位以上の成績を収めることが必須条件となる。
英Motor Sport Magazineによるとロードンは、「コルトンの実力に疑いの余地はない」としつつも、「ライセンスポイントが足りない限り、彼の起用に制約が生じることは明らかだ」と指摘した。
一方で、昨年半ばにウィリアムズのF1シートを失ったローガン・サージェントについてロードンは、現在はモータースポーツに関与していないとして、一切交渉していないと説明している。
その他の候補者:経験豊富なF1ドライバー
ハータ以外にも、キャデラックF1は経験豊富なF1ドライバーをターゲットとしている。その中でも注目されているのが、元レッドブルのセルジオ・ペレス、元メルセデスのバルテリ・ボッタス、そして2025年シーズンのフェラーリF1リザーブドライバーを務める周冠宇だ。
ボッタス、ペレスらと話をすることに関心があるかと問われると、ロードンは「F1にふさわしい非常に優れた実績を持つ候補者は、少なくとも6人、あるいはそれ以上いる」と答えた。
ペレスは豊富なF1経験に加え、メキシコのスポンサーからの強力な支援を受けており、チームに大きな商業的価値をもたらす可能性がある。また、ボッタスはメルセデス時代に培った経験と堅実な走りが評価されており、チームの発展に貢献できるベテランとして注目されている。
さらに、ロードンが個人的にマネジメントを担当している周冠宇も候補の一人だ。
周冠宇は2022年にF1デビューを果たし、3年間のF1経験を持つ。加えて、キャデラックF1の2026年エンジンパートナーであるフェラーリとの関係も深いため、チームにとって戦略的に適した選択肢となる可能性がある。
ロードンは周冠宇について、ザウバーで「並外れた仕事」をしてきたとして、「非常に優れている」と評価したが、米ESPNによると「選考には適切なチェックとバランスがあるため、特定のドライバーに対するえこひいきは一切ない」とも述べた。
「我々はこれから何人かと話し合うことになるが、私の電話はすでに鳴りっぱなしだ」
2026年のF1参戦に向けて、キャデラックF1のドライバー選定はチームの成功を左右する重要な要素となる。今後数ヶ月の間に交渉が本格化し、最終的な決定が下される見込みだ。