
佐藤琢磨、2025年「第109回インディ500」参戦決定―RLLから3度目の制覇へ
2度のインディ500王者、佐藤琢磨が2025年もレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)から第109回インディアナポリス500マイルレースに参戦することが発表された。マシンのメインスポンサーは2024年に続き、AMADA AMERICA, Inc.が務める。
Courtesy Of Rahal Letterman Lanigan Racing
佐藤琢磨が2025年の第109回インディ500でドライブするレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)の75号車ホンダのカラーリング
RLLとともに歩んできたキャリア
佐藤琢磨は2012年、そして2018年から2021年にかけてRLLに所属し、2020年にはチームに2度目のインディ500優勝をもたらした。
2023年にはチップ・ガナッシ・レーシングからオーバルレースに参戦し、翌2024年には再びRLLとタッグを組んでインディ500に挑戦。ホンダエンジン勢で2番目に速い予選スピードを記録するなど、確かな実力を示してきた。
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これまでにRLLから6回インディ500に参戦しており、2025年はキャリア通算16回目、RLLとの7度目の挑戦となる。
RLL共同オーナーのマイク・ラニガンは「今年も佐藤琢磨とともにインディに挑めることを、本当に誇らしく思う」と語り、3度のインディ500制覇に期待を寄せた。また、同じく共同オーナーのボビー・レイホールは「琢磨の経験と才能、そしてIMSでの果敢な走りは、過去2度の優勝によって証明されている。彼の労働倫理と細部へのこだわりは、チームにとって計り知れない価値がある」と付け加えた。
Courtesy Of Penske Entertainment
ボビー・レイホールと佐藤琢磨、2020年第104回インディ500にて
佐藤琢磨、再び勝利を目指す
RLLとの契約発表に際し、佐藤琢磨は次のように意気込みを語り、3度目のインディ500制覇を目指す考えを明らかにした。
「RLLとともに第109回インディ500に参戦できることを大変嬉しく思います。ボビー、マイク、デビッド、そしてチーム全員に心から感謝しています。また、メインスポンサーを務めてくださるアマダを筆頭に、パナソニックオートモーティブシステムズ、ニテラ、デロイトトーマツ、NAC、ホンダ、HRC、そしてすべてのスポンサーの皆様にも深く感謝しています」
「今年の75号車は、RLLの伝統的なデザインを継承しつつも、新しくダイナミックなカラーリングに仕上がりました。昨年、チームと再び共に戦う機会を得たことは素晴らしい経験でした。今年はさらに多くの馴染みある顔ぶれが揃い、特別な思いがあります。このチームで再び勝利を目指すことができるのが楽しみです」
新パワーユニットへの適応が鍵に
佐藤琢磨にとって2025年の課題の一つは、新型2.2リッターV6ツインターボ・ハイブリッドエンジンへの適応だ。このユニットは2024年のミッドオハイオ戦で導入されたが、佐藤琢磨はまだ走行経験がない。
インディカー用のESS(エナジー・ストレージ・システム)は、リチウムイオン電池ではなく、軽量で瞬発力に優れたスーパーキャパシタを採用。ERSは約60馬力の追加パワーを発生させ、オーバーテイク時などにドライバーがステアリング上のボタンを操作して使用できる。
新システムへの適応が、佐藤の3度目のインディ500優勝への鍵となるだろう。
インディカーキャリアと実績
佐藤琢磨は2010年にF1からインディカーシリーズに転向し、これまでに221戦に出場。インディ500では2017年と2020年に優勝を果たし、日本人ドライバーとして歴史に名を刻んだ。
さらに、ロングビーチGP(2013年)、ポートランドGP(2018年)、ホンダ・インディ・グランプリ・オブ・アラバマ(2019年)、WWTレースウェイ・ボマーリト500(2019年)での優勝経験を持つ。計6勝のうち、4勝はRLLと掴んだ。
佐藤琢磨は現在、ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)の校長を務めており、2024年にはHRC(株式会社ホンダ・レーシング)のエグゼクティブ・アドバイザーにも就任。四輪レースにおけるドライバー育成戦略やプログラムの策定、レースの参戦計画や運営体制に関するサポートを提供している。
2025年インディ500の日程
2025年のインディカーシリーズは3月2日のセント・ピーターズバーグで開幕を迎えた。第109回インディ500は5月26日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)で開催される。