馬鹿げた連中め!暴言の裏で謝罪、ピアストリが明かすフェルスタッペンの対応―F1アブダビGP 1周目の事故を巡り
オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、2024年F1アブダビGPの1周目に発生した接触事故を巡り、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)から謝罪を受けたことを明らかにした。
スタート直後のターン1では、3番手スタートのフェルスタッペンが、最前列2番手のピアストリをイン側から追い抜こうと試みたが、右フロントがMCL38の左リアに接触。これにより両者はスピンを喫し、後方に転落した。
デレク・ワーウィックを含むスチュワードは、フェルスタッペンに接触の全責任があると判断し、10秒ペナルティと2点のペナルティポイント(累積8点)を科した。
この裁定に対し、4度のF1ワールドチャンピオンは無線を通して「馬鹿げた連中め!」とスチュワードを激しく非難していたが、レース後にピアストリに対しては謝罪の意を示していた。
「コーナーに差し掛かる手前でミラーを見た時は、何も問題はないだろうと思っていたんだけど、エイペックスに差し掛かると、状況が明らかに一変していた」とピアストリは振り返った。
「マックスは謝ってくれたし、ペナルティが全てを物語っていると思うから、これ以上、この件を掘り下げる必要はないと思う」
その後、ピアストリはバーチャル・セーフティーカー(VSC)解除直後のリスタートで、フランコ・コラピント(ウィリアムズ)のリアに追突するアクシデントを起こした。この接触について、スチュワードはピアストリのブレーキングが「著しく遅すぎた」と判断し、10秒ペナルティと2点のペナルティポイント(累積4点)を科す決定を下した。
ピアストリは「フランコとの接触で僕のレースは完全に終わってしまった。正直、みんな休息が必要な時期に来ているのだと思う」と振り返った。
ピアストリの戦線離脱により、マクラーレンの26年ぶりとなるコンストラクターズタイトルの行方はランド・ノリスに託された。
レース終盤、後方からフェラーリの2台が迫る展開となったが、ノリスは安定した走りを見せ、一度も接近を許さずリードを守った。最終的には、カルロス・サインツに5.832秒差をつけてトップチェッカーを受け、英国ウォーキングのチームの長年の悲願を見事、成し遂げた。
ピアストリは「僕自身にとっては厳しいレースだったけれど、今のところ、それはそれほど重要なことじゃない。今シーズンの目標を達成したチームを心から誇らしく思う」と語り、さらに、「この24ヶ月間、僕たちはクルマとシーズンを立て直すために懸命に取り組んできた。それを考えると、本当に驚くべき成果だと思う」として、その努力と成果への感慨を口にした。
2024年F1最終第24戦アブダビGPでは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾り、マクラーレンに26年ぶりのコンストラクターズ選手権をもたらした。