タイヤエンジニア時代の小松礼雄に衝撃を与えたフェルナンド・アロンソの驚くべき能力
ハースF1チームの小松礼雄代表が、ルノー在籍時に共に仕事に取り組んだフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)の驚くべき能力に関するエピソードを披露した。
2005年、当時のF1史上最年少ドライバーズチャンピオン記録を塗り替え、翌年に連覇を果たしたアロンソは、今週末の2024年F1メキシコGPで前人未到の通算400戦目を迎える。
佐藤琢磨からの1本の電話により、BARホンダのテストチームの一員としてF1キャリアをスタートさせた小松礼雄は、ルノーから声がかかり、2006年にルノーに移籍。アロンソと仕事をする経験を得た。
「当時はタイヤエンジニアだったため、フェルナンドとは何度もタイヤテストを行いました」と小松礼雄は語った。
「何より驚かされたのは、信じられないほどの理解力でした」
「例えば、『このタイヤで20周のスティントをして、最後の5周はこのタイムで走り、その後、インラップでタイヤを完全に使い切ってくれ』という指示を出すと、彼はそれを完璧にこなしてしまうんです」
「2周目や3周目の時点で、その後の展開が頭に描けていて、20周目にタイヤがどうなるかを完全に把握しているということです」
「タイヤを過剰にも不足にも使わず、完璧に調整して走る。その能力には本当に感心しました」
「あれは本当に目を見張る経験でした」
アロンソが現在所属するアストンマーチンのマイク・クラック代表は、アロンソを特別足らしめているのは「競争への情熱」だと語った。
「彼のキャラクターや性格を形容する言葉はたくさんあるが、特に強調したいのは、彼の才能、自制心、そして何よりも競争への情熱だ」
「つまり、非常に競争心が強く、自らを厳しく律する素晴らしい才能に恵まれたドライバーということだ」