FIA、マクラーレンの再審請求を却下…F1米国GPでのフェルスタッペンの3位とノリスの4位が確定
2024年のF1第19戦アメリカGPのスチュワードは、ランド・ノリスに科された5秒ペナルティを巡ってマクラーレンから申し立てられた再審請求を却下した。これによりマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の3位、ノリスの4位が確定した。
申し立てを退けた理由としてデレク・ワーウィックを含む4名の競技審判団は、マクラーレンから提出された証拠が、再審請求の要件を満たすものでなかったためだと説明した。
レース終盤にノリスは、ターン12でフェルスタッペンを追い抜く際にコース外のランオフエリアを使用したことで5秒ペナルティを受けた。この結果、フェルスタッペンに4.1秒の差をつけて3位でチェッカーを受けたものの、ペナルティにより4位に降格し、フェルスタッペンはドライバーズ選手権でのリードを57ポイントに広げた。
マクラーレンは第20戦メキシコGPの開幕を翌日に控えた10月24日、FIA国際競技規則(ISC)第14条に定められた再審理を求める申立てをスチュワードに提出した。イベント初日を迎えた25日にオンライン上で聴聞会が行われ、以下のメンバーがこれに出席した。
- マクラーレン:アンドレア・ステラ、ランディープ・シン
- FIA:ニコラス・トンバジス、ティム・マリオン
- レッドブル:ジョナサン・ウィートリー、ステファン・ノウルズ
聴聞会では、マクラーレンが提出した証拠が再審請求の要件を満たしているかどうかが検討された。
再審理を求める者は、再審理が必要である事を裏付ける客観的な証拠を提出し、その証拠が、1)重要であり、2)関連性があり、3)新しく、4)当該決定時に入手不可能であったもの、であるとスチュワードに認めさせなければならない。
マクラーレン側は、コーナーのエイペックスでノリスがフェルスタッペンに先行を許し、同一線上に達していなかったとした裁定文書におけるスチュワードの指摘は「誤り」であると主張し、ノリスは「ブレーキングゾーン」で既にフェルスタッペンを追い抜いていたとして、スチュワードの「誤った決定」、つまり裁定を公表したスチュワードの文書自体が「重要で関連性のある新たな証拠」であると主張した。
つまり、スチュワードはノリスを「追い抜きを試みたドライバー」とみなしたが、実際にはコーナーに到達する前に既にフェルスタッペンを追い抜いていたため、ノリスは「追い抜きを試みたドライバー」ではないとして、別の観点から検討されるべきだと主張した格好だ。
また、「公平性の観点」からも再審請求を認めるべきだと訴えた。
しかしながらスチュワードは、文書自体を「新たな証拠」とするマクラーレンの主張を認めなかった。スチュワードは、「再審請求は、決定における事実またはルール上の誤りを訂正するためのものであり、新たな証拠はその誤りを示すものでなければならない」と説明し、請求を却下した。