メディアのインタビューに応じるダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)、2024年9月19日(木) F1シンガポールGP(マリーナベイ市街地コース)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

リカルド、シンガポール後のRBシート喪失の可能性認める…ローソン起用が取り沙汰される中

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シーズン途中にリアム・ローソンに交代される可能性が取り沙汰されているダニエル・リカルドは、マリーナベイ市街地コースでのレース後に、自身がRBのシートを維持できるかどうか不確かな状況にあると認めた。

パドックでは、2024年シーズン末に契約が切れるリカルドが、アメリカGP以降の今季残り6レースでローソンにシートを奪われるとの噂が広がっている。先日はシンガポールGPを前に交代が行われるとの荒唐無稽な噂まで飛び出した。

確かにレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはローソンの早期昇格を積極的に支持しているが、レッドブルの焦点はシーズン途中での交代ではなく、あくまでも2025年のラインアップにあると考えられている。

チームのリザーブ・ドライバーを務めるローソンに関しては、レッドブルが9月までに2025年のシートを用意できない場合、現行契約を解除して他のチームに移籍できることが知られている。

レッドブルはサマーブレイク中に、不調に喘ぐセルジオ・ペレスの交代を真剣に検討したが、最終的には残りのシーズンでバックアップする方針を決定した。これは、ペレスの代わりを務めるに相応しい説得力がリカルドにないことを仄めかすものだった。

角田裕毅は既に来年もRBからレースに出場することが発表されており、レッドブルもその決定を覆す気配を見せていないことから、大幅な方向転換などがない限り、ローソンのためにシートを譲る可能性があるのはリカルドのみという状況だ。

リカルドはシンガポールGPの開幕に先立ち、自身の将来については日曜のレース後に何らかの決定が下される可能性があると認めたが、同時に、即座に解雇される兆候があるわけでもないと説明した。

「この世界がどういうものか、どういう仕組みなのかは理解している。今年はサマーブレイクかシンガポールGP後に、何らかの期限があるだろうということは分かっていた。だから、次の節目はシンガポールGP後だ」とリカルドは語った。

「正直、まだ多くのことが宙に浮いている。週末がどうなるか見てみよう。もちろん、これまで通り全力を尽くすつもりだ。表彰台に上る。それが僕の計画だ」

また、米ニューヨーク・タイムズによると、シンガポールGPが最後のレースになる可能性があるかと尋ねられたリカルドは「そうは思わないけど、ここで弁護士の真似事をするつもりもない」と語った。

「ノーと言いたいところだけど、このスポーツの仕組みは分かっているから、100%確実だ、全財産を賭けてもいい、とは言いたくない。僕はこの業界にあまりにも長くいるからね」

「このスポーツのクレイジーなところは、もし今週末に表彰台に立てば、おそらく僕は一躍、注目の的になるということだ」

「僕らはそういうメリーゴーランドに乗っているようなもので、状況はあっという間に変化する。だから、事態が熱を帯びていることは認識してるけど、僕としては今週末に向けて、自分のやるべきことに集中するだけだよ」

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8度のグランプリウィナーはマクラーレンから解雇された後、昨シーズン途中にアルファタウリからF1に復帰したものの、一貫性してパフォーマンスを発揮できておらず、今シーズンはチームメイトの角田裕毅より10ポイント少ないランキング14位に甘んじている。

レッドブル上層部と株主は、シンガポールGPとアメリカGPの間のオフを使って、今シーズンの残りと2025年のドライバー計画について話し合うものと見られる。

トップ争いへの返り咲きを目指してRBからのF1復帰を決断したリカルドにとっては、たとえRBのシートを失い、2025年に向けて下位チームからオファーがあったとしても、それはキャリアを継続する選択肢にはなり得ないようだ。

リカルドは「ポイント圏外にいると当然、楽しさは減るし、僕はもう35歳で、トップを争ったこともあるし、シャンパンも味わってきた。だから、もう二度と実現しないかもしれないものに固執したくないという気持ちもある。そのことについては頭の中で何度か考えてきた」と語る。

「だから来年、どんなチャンスにも飛びつく、とは言えない。そうはならないと思う。たぶん『バイバイ』って言うだろうね」

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