ルノーF1従業員、イタリアGPで抗議活動とストライキへ…エンジン撤退計画に反発
ルノーの経営陣がF1パワーユニット(PU)開発の中止計画を進めていることを受け、ヴィリー=シャティヨンのファクトリーで働く従業員が、F1第16戦イタリアGPの週末に抗議活動を計画していることが分かった。
仏紙レキップによると、約100人の従業員がイタリアGPの舞台モンツァに向かい、2つのグループに分かれ、「#ViryOnTrack」のメッセージと共にアルピーヌのロゴが描かれた白色のTシャツを着用し、黒い腕章を身に着け、抗議のメッセージを記した横断幕を掲げる。
ヴィリーの労働組合は声明を通して「如何なる行動も、サーキットでの作業を妨げることはない」としている。なお、ヴィリーに残る従業員の大多数はストライキを行う予定だ。
現行V6ハイブリッド・ターボの開発でライバルに遅れを取り続けている名門F1エンジンサプライヤーのルノーは現在、2026年の新規則導入を前に開発を打ち切り、ヴィリーの人員を市販車部門を含む他のプロジェクトに配置転換することを検討している。
2026年に向けた次世代PU開発は順調であるとして同労働組合は、F1撤退に向けた取り組みを進めるルカ・デメオCEOを含むルノーの経営陣に対し、「裏切り」「残忍」との強い表現を以て批判を続けていた。
組合側によると、一連の計画はコスト削減を理由とするものであり、パフォーマンスへの懸念によるものではないという。ルノーのPU開発費は年間1億2000万ドル(約173億円)程度で、カスタマーエンジンを購入する場合は約1700万ドル(約25億円)にコストを削減できると考えられている。
F1プロジェクトの今後に関する最終決定は9月30日に下される見通しで、従業員達は計画の撤回を要求している。