フランコ・アレハンドロ・コラピント（西：Franco Alejandro Colapinto）は、アルゼンチン・ブエノスアイレス州ピラール出身のレーシングドライバー。2025年現在、アルピーヌF1チームのリザーブドライバーを務めている。

2024年第16戦イタリアGPにおいて、成績不振が続いていたローガン・サージェントに代わってウィリアムズからF1デビューを果たした。アルゼンチン人としては、2001年にプロスト・グランプリを解雇されたガストン・マッツァカーネ以来、実に23年ぶりのF1参戦となった。

コラピントは2023年1月にウィリアムズのドライバー育成プログラムに加わり、2024年はMPモータースポーツからFIA-F2選手権に参戦していた。だが、第15戦オランダGPにおいて、サージェントがクラッシュによってマシンを大破させたことを受け、ウィリアムズは急遽、シーズン途中でのコラピントのF1昇格を決断した。

幼少期とプライベート

父方にイタリア系、母方にウクライナ系の血を引くコラピントは、アルゼンチンとイタリアの二重国籍を持つ。9歳でカートレースを始め、国内外の大会で一定の成功を収めた後、14歳の時に単身イタリアへ渡った。

キャリア

ペドロ・デ・ラ・ロサが共同設立したレースチーム「Drivex」と契約し、ナバラ・サーキットで開催された2018年のスペインF4最終戦にスポット参戦。シングルシーターデビューを果たすと、初戦のレース4で優勝を飾る快挙を果たした。

初のフルシーズン参戦を果たした2019年シーズンには、21レースで11勝という支配的なパフォーマンスを発揮。チャンピオンを獲得した。

2020年には、オフシーズンを利用してニュージーランドのトヨタ・レーシング・シリーズに挑戦。総合3位に入り、同年FIA-F2選手権に昇格する角田裕毅（総合4位）を上回った。2位は同じくF1を目指すライバル、リアム・ローソンだった。

初のフル参戦を果たした2020年のフォーミュラ・ルノー・ユーロカップでは総合3位を獲得したが、その後継シリーズである翌年のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権では、思うように結果を残せず総合6位にとどまった。

2021年にはスポーツカーレースにも活動の幅を広げたが、2022年からは再びシングルシーターに専念し、F1の登竜門であるFIA-F3選手権に2シーズン参戦。計4勝を挙げ、F1関係者の注目を集めた。

その実績が評価され、2023年1月にはウィリアムズ・ドライバー・アカデミーに加入。同年末には、ヤス・マリーナ・サーキットで開催されたF1ポストシーズンテストでFW45をドライブし、F1マシンデビューを果たした。

2024年、欧州でのジュニアキャリアを共に歩んできたオランダの名門MPモータースポーツからFIA-F2選手権にフル参戦。新車導入初年度ということもあり、他のルーキー勢を含めてコラピントは際立ったパフォーマンスを披露。その活躍が評価され、7月のF1イギリスGPでは、ウィリアムズからフリー走行1回目（FP1）出走の機会を与えられ、念願のF1公式セッションデビューを果たした。