F1ベルギーGP決勝:タイヤ戦略考と気になる天気、14台変動…ペナ適用後のグリッド
日本時間7月28日(日)22時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第14戦ハンガリーGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および、予想されるタイヤ戦略、気になる天気を見ていこう。
スターティンググリッド
今週末は3名がグリッド降格ペナルティを受け、計14台のグリッドが変動した。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は予選で最速を刻んだが、5基目のICE(内燃エンジン)に手を付けたことで11番グリッドに降格する。
また、予選18番手の角田裕毅(RBフォーミュラ1)はエンジン交換ペナルティのフルコースで最後尾20番グリッドに着く。
予選最下位の周冠宇はザウバーに落ち度があり、フェルスタッペンに対する走行妨害で3グリッド降格ペナルティを受けたが、前述の通り角田裕毅がペナルティを受けるため逆に1グリッド昇格した。
ポールポジションに着くのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。最前列2番グリッドにはシート喪失崖っぷちの中で今季初優勝を狙うセルジオ・ペレス(レッドブル)が並ぶ。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | C.ルクレール | フェラーリ | 2(+1) |
2 | S.ペレス | レッドブル | 3(+1) |
3 | L.ハミルトン | メルセデス | 4(+1) |
4 | L.ノリス | マクラーレン | 5(+1) |
5 | O.ピアストリ | マクラーレン | 6(+1) |
6 | G.ラッセル | メルセデス | 7(+1) |
7 | C.サインツ | フェラーリ | 8(+1) |
8 | F.アロンソ | アストンマーチン | 9(+1) |
9 | E.オコン | アルピーヌ | 10(+1) |
10 | A.アルボン | ウィリアムズ | 11(+1) |
11 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 1(-10) |
12 | P.ガスリー | アルピーヌ | 12(-) |
13 | D.リカルド | RB ホンダRBPT | 13(-) |
14 | V.ボッタス | ザウバー | 14(-) |
15 | L.ストロール | アストンマーチン | 15(-) |
16 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 16(-) |
17 | K.マグヌッセン | ハース | 17(-) |
18 | L.サージャント | ウィリアムズ | 19(+1) |
19 | 周冠宇 | ザウバー | 20(+1) |
20 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 18(-2) |
レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。
想定されるタイヤ戦略
2日目土曜のスパが雨に見舞われたため、決勝レースの行方を占う上では初日金曜のデータに頼ることになる。
昨年大会のトップ10フィニッシャーは、ソフトタイヤを中心に据えた1ストップから3ストップに至るバラエティ豊かな戦略を採ったが、今季は昨年と比べて「2ストップ戦略が大幅に有利になる」とピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは考えている。
それは、2024年大会に向けてオー・ルージュやセクター2区間の一部を除いてコースの大部分が再舗装されたためだ。
グリップレベルが変化してラップタイムが短縮された反面、グレイニングが悪化した。そのため、去年はランド・ノリス(マクラーレン)しか使う者がいなかったが、今年はハードタイヤが主役を張ることになるかもしれない。
イゾラは「最も硬いC2(ハード)は1年前よりも遥かにレースに適したコンパウンドになった。一方で最も柔らかいC4(ソフト)は不利な方向に傾いた」と指摘した。
理論上の最速ストラテジーはミディアムをスタートタイヤとして、その後ハードを2セット使う2ストッパーとのことだが、この戦略を実行できるチーム、つまりハードを2セット温存しているのは以下の計4チーム、8台に限られる。
- フェラーリ
- マクラーレン
- メルセデス
- アルピーヌ
1ストッパーも可能と考えられるが、スパはオーバーテイクが容易であるためトラックポジションはさほど重要ではなく、1ストップを成功させるためには高いレベルのマネジメントが求められるため最善の策とは言い難い。
また、ピレリのシミュレーションによると3ストッパーは速くないとのことで、やはり2ストッパーが主流となりそうだ。
気になる天気は…
日曜のスパは終日、日差しに恵まれる予報で、降水確率は1日を通して0%と、ドライコンディションが期待される。…だが、無論、スパでは何が起きても不思議はない。