角田裕毅「そんなつもりはなかったけど…」強いられた戦略変更、過去5戦で入賞4回と好調も課題を指摘
F1第7戦エミリア・ロマーニャGPでの10位フィニッシュにより、過去5戦で4回目の入賞を飾った角田裕毅(RB)は、スタートで出遅れた事が戦略を含め、その後のレースにネガティブな影響を及ぼしたとして、改善が必要との考えを示した。
1ポイントを巡る過酷な争いについて振り返るよう求められた角田裕毅は「スタートでレースが少し損なわれてしまいましたが、それでもホームレースでポイントを獲得できたので満足しています」と語った。
「ハードタイヤで50周以上を走り切るのは簡単なことではありませんでしたが、チームは良くやってくれたと思います」
7番グリッドに着いた角田裕毅は路面の蹴り出しが悪く、オープニングラップでニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とルイス・ハミルトン(メルセデス)に対してポジションを落とした。僚友ダニエル・リカルドも同じ様に2つポジションを失った。
これを受けピットウォールは、ミディアムタイヤを履いた第1スティントを12周という非常に早い段階で切り上げ、チェッカーまでの残り51周をハードタイヤで行く事を決定した。
早期のピットストップはヒュルケンベルグのアンダーカットを可能としたが、反面、タイヤの性能が落ちた終盤には、フレッシュなタイヤを履くセルジオ・ペレス(レッドブル)とランス・ストロール(アストンマーチン)に追い抜きを許す事となった。
角田裕毅より上位、つまりトップ9フィニッシャーの中で角田裕毅に次いで早くピットストップを行ったのは、21周目にハードに履き替えたジョージ・ラッセル(メルセデス)で、8位と9位でフィニッシュしたペレスとストロールに至っては37周目まで第1スティントを引っ張る戦略を採用した。
イモラでのVCARB 01はトップスピードが下位レベルで、ストレートで優位性を持つハースVF-24を交わすにはピットストップ戦略以外に手がないと考えたのだろう。
著しく早いタイミングでのタイヤ交換について角田裕毅は、開始早々にポジションを落とした事が理由だと説明した。
「正直なところ、あんなに早くピットインするとは思っていませんでしたし、そうするつもりもなかったのですが、スタートで幾つかポジションを落としてしまったため、そうせざるを得なかったんです」と角田裕毅は語る。
「問題のないスタートを切ってポジションをキープしていれば、もっと楽なレースができたはずで、もう少し上位でフィニッシュできたかもしれません」
「ペースはまずまずだったと思いますが、デグラデーションがかなり高かったので、兎に角、(第2スティントでは)タイヤをマネジメントしなければなりませんでした」
「なので、スタートについては間違いなく正さなければならない部分ですが、それ以外については堅実なレースだったと思います」
角田裕毅がピットストップを行った翌周、先行していたヒュルケンベルグがカウンターを打ってタイヤ交換を行った。これにより当時、角田裕毅の後方を走行していたストロールは第1スティントの残りをクリーンエアーの中で過ごす事となった。
テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは、角田裕毅の早期のストップが「トラフィックが少ない状態で長く走るチャンス」をストロールに与える事になったと認め、「彼はこれを上手く利用した」と付け加えた。
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝レースでは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が0.725秒という僅かの差でランド・ノリス(マクラーレン)を振り切り今季5勝目を上げた。
モンテカルロ市街地コースを舞台とする次戦モナコGPは5月24日のフリー走行1で幕を開ける。