フェルスタッペン、ノリスに0.7秒差の辛勝!角田裕毅「要検討」も連続入賞 / F1エミリア・ロマーニャGP 2024 《決勝》結果と詳報
2024年FIA-F1世界選手権第7戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースが現地5月19日(日)にイモラ・サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が後続を0.725秒差で振り切りポール・トゥ・ウインを飾った。角田裕毅(RB)は10位フィニッシュにより2戦連続の入賞を果たした。
僚友オスカー・ピアストリが3グリッド降格により5番グリッドに下がった事で2番グリッドに着いたランド・ノリス(マクラーレン)は、初優勝を飾った前戦マイアミに続く連勝こそ逃したものの、終盤に驚異的な追撃ドライブを披露。0.725秒という僅かの差で2位フィニッシュした。
ホームレースのフェラーリは、ピアストリにアンダーカットを許したカルロス・サインツが5位と後退したが、それでもシャルル・ルクレールは3位でチェッカーを受けて表彰台を獲得。イモラ・サーキットにティフォシの大歓声が響き渡った。
メルセデス勢はルイス・ハミルトンが6位、トップ10フィニッシャーの中で唯一、2ストップしたジョージ・ラッセルが7位と、最低限の仕事を果たして週末を締め括った。
予選Q2敗退を喫して11番グリッドに着いたセルジオ・ペレス(レッドブル)は、18周目にリバッツァの1個目でグラベルトラップに飛び出し約5秒をロスする場面もあり、3ポジションアップの8位に留まった。
角田裕毅は蹴り出しが悪く、1周目にポジションを2つダウン。タイヤの履歴差を活かして中盤に向けて何度か挽回のオーバーテイクを見せたが、終盤には逆にフレッシュなタイヤを履くライバルに追い抜きを許した。
僚友ダニエル・リカルドは13位に留まり、ダブル入賞は叶わなかったが、それでも角田裕毅は母国レースのチームに貴重な1ポイントを持ち帰った。
チェッカーフラッグを受けた後、無線を通して角田裕毅は、チームの健闘を称えて感謝を伝え、ホームレースでの入賞に対する満足を口にしつつも「スタートを見直さなきゃね。あれでレースが損なわれてしまった」と語った。
3度に渡ってピットストップを行うなど、セットアップ変更に伴うパルクフェルメ違反に伴いピットレーンスタートとなったフェルナンド・アロンソが、ある種の実験的なレースで19位フィニッシュしたのとは対照的に、ランス・ストロールはシルバーストンのチームお得意のロングスティント戦略を成功させて9位でフィニッシュした。
コンディションとタイヤ戦略
決勝は日本時間19日(日)22時にブラックアウトを迎え、1周4,909mのコースを63周する事で争われた。現地イモラは晴れ、チャンピオンシップポイントを争うレースのフォーメーションラップは気温25℃、路面44℃のドライコンディションで開始された。
公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までのコンパウンドを投入。レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、ミディアムからハードに繋ぐ1ストッパーが主流となった。
レース概要
7番グリッドに着いた角田裕毅は蹴り出しが悪く、オープニングラップでニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とハミルトンに対してポジションを落とした。興味深いことに僚友リカルドも2ポジションダウンで、ザウバー勢も各々が一つポジションを落とした一方、ハース勢は2台揃って順位を上げた。タイヤのウォームアップに問題があったのか、チーム毎に明暗が分かれた。
ヒュルケンベルグを先頭にした長いDRSトレインが中団に発生する中、先陣を切ってピットストップに動いたのはアロンソを含む後方4台で、8周目にハードに履き替えた。
4台の内の1台、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は、ホイールの取り付けが甘くスロー走行を余儀なくされ、再度のピットインを強いられた。そして1周遅れでコースに復帰すると、アンセーフ・リリースによる10秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティを受け、最終的には54周目にクルマをガレージに入れてリタイヤした。
RBのピットウォールは11周目にリカルドを、翌周に角田裕毅をピットストップさせた。これをカバーすべくハースは13周目にヒュルケンベルグをピットインさせたが一歩及ばず、角田裕毅のアンダーカットを許した。
角田裕毅はその後、手こずりながらもローガン・サージェント(ウィリアムズ)を攻略。34周目には周冠宇(ザウバー)を交わした。
22周目、上位勢としてはラッセルが先陣を切ってピットに動いた。これを受けてマクラーレンは23周目にノリスを、翌周にピアストリをピットインさせた。上位勢の中で最も長くスティントを引っ張った事でサインツは、ピアストリにアンダーカットを許して5番手に後退した。
トラックリミットによる黒白旗を受けたラップリーダーのフェルスタッペンは24周目にタイヤ交換を消化した。レイアウト的には右フロントであるはずだが、左フロントの摩耗を報告していた。
ロングスティントを走るペレス、ストロール、マグヌッセンの3台は38周目に揃ってピットイン。これにより角田裕毅は一時的に8番手に浮上した。
大幅な履歴差と1段階柔らかいミディアムを武器にペレスは、リカルドとヒュルケンベルグに続いて43周目に角田裕毅を攻略。8番手に順位を上げた。
25周分もフレッシュなタイヤを履くストロールに対してなす術はなく、角田裕毅は51周目に10番手に後退した。
フェルスタッペンは残り20周の段階で7.5秒のギャップを築いていたが、ノリスがラスト10周で猛追を開始。自己ベストを更新して一気にその差を詰めていき、ファイナルラップで1秒以内にまで接近した。
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 63 | 1:25:25.252 | 25 |
2 | 4 | ノリス | マクラーレン | 63 | +0.725s | 18 |
3 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 63 | +7.916s | 15 |
4 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 63 | +14.132s | 12 |
5 | 55 | サインツ | フェラーリ | 63 | +22.325s | 10 |
6 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 63 | +35.104s | 8 |
7 | 63 | ラッセル | メルセデス | 63 | +47.154s | 7 |
8 | 11 | ペレス | レッドブル | 63 | +54.776s | 4 |
9 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 63 | +79.556s | 2 |
10 | 22 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 62 | +1 lap | 1 |
11 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 62 | +1 lap | 0 |
12 | 20 | マグヌッセン | ハース | 62 | +1 lap | 0 |
13 | 3 | リカルド | RB ホンダRBPT | 62 | +1 lap | 0 |
14 | 31 | オコン | アルピーヌ | 62 | +1 lap | 0 |
15 | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 62 | +1 lap | 0 |
16 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 62 | +1 lap | 0 |
17 | 2 | サージェント | ウィリアムズ | 62 | +1 lap | 0 |
18 | 77 | ボッタス | ザウバー | 62 | +1 lap | 0 |
19 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 62 | +1 lap | 0 |
NC | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 51 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 25℃ |
路面温度 | 44℃ |
周回数 | 63 |
セッション概要
グランプリ名 | F1エミリア・ロマーニャGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | イモラ・サーキット |
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設立 | 1953年 |
全長 | 4909m |
コーナー数 | 21 |
周回方向 | 反時計回り |