”危険運転”疑惑で召喚されたアルボン「安全だって分かってた」
アレックス・アルボン(ウィリアムズ)はF1第7戦エミリア・ロマーニャGPで、「安全でない状態」のクルマを走行させた疑いがあるとしてスチュワードに召喚されたが、ペナルティを科される事はなかった。
アルボンは63周のレースの8周目にタイヤ交換のためにピットに向かったが、右フロントホイールの取り付けが甘く、アンセーフ・リリースによる10秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティを受けた。
ただ問題はこれに留まらず、スチュワードはF1競技規定第34条14項 e)への違反を疑った。つまり、「安全でない状態でリリースされた事を知りながらドライブを続行」したのではないかと疑われたわけだ。
ヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団によるとアルボンは公聴会の中で、クルマに異常がある事は認識していたものの、ホイールナットが適切に締められていない、いわゆる「典型的なホイールの緩み」であるとは考えていないと釈明した。
アルボンがピットアウトしたのはチーム側からGOサインが出たからであり、チームはその当時、ホイールが緩んでいる事を把握していなかったため、特に何も指示を出さなかった。
オンボード映像を見直したスチュワードは、アルボンの主張の裏付けが取れたとした上で、アルボンは「金属がこすれるような音を聞いて何かがおかしいと報告し、クルマを慎重にピットまで走らせた」と指摘した。
また、「他の競技者に影響を与えることなく、安全かつ適切な方法」でクルマをピットに持ち帰ったとも述べ、アルボンは「クルマが安全でない状態であることを知りながらドライブしたわけではない」と結論付けた。
一件についてアルボンは「ピットを出る時には特に何も感じなかったんだけど、ピットリミッターを解除したらバイブレーションが出てね。何かがおかしいって気づいたんだ」と説明した。
「タイヤが外れる事はないって分かってたんだ。ある一定のポイントまでしか動かず、それ以上には動かなかったからね。だから安全ではあったんだ」
ホイールの問題が発生して周回遅れとなったため、アルボンは残りのレースを2025年大会に向けた「テストセッション」として捉え、ブレーキングの「実験」に費やした後、51周目に戦略的観点からリタイヤした。
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝レースでは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が0.725秒という僅かの差でランド・ノリス(マクラーレン)を振り切り今季5勝目を上げた。
モンテカルロ市街地コースを舞台とする次戦モナコGPは5月24日のフリー走行1で幕を開ける。