ローラとヤマハ、フォーミュラE規格パワートレインの開発供給に合意
英国の老舗レーシングカー開発会社ローラ・カーズが、ヤマハ発動機株式会社との間で高性能電動パワートレインの開発・供給に関するパートナーシップを締結し、FIA フォーミュラE世界選手権に参戦する事が発表された。
ローラは現在、フォーミュラEに出場するレーシングチームに供給が可能な車体パッケージの開発を進めており、ヤマハはテクニカルパートナーとしてローラと協力してパワートレインを開発・供給する。両者は2024年3月28日(木)、複数年に渡る技術提携を発表した。
ヤマハは全社環境目標として、2050年までに、事業所や工場、エネルギー購入を含む企業活動における排出を除く、製品使用や原材料調達を含むその他の排出におけるカーボンニュートラルの達成を掲げている。
ローラ・カーズとの提携発表に際して同社は声明を通して「世界最高レベルの出力密度・効率を含めた究極のエネルギーマネジメント技術の獲得を目指し、技術開発を進めている」と述べた。
ローラ・カーズのティル・ベヒトルスハイマー会長は「世界で最も革新的なOEMのひとつであるヤマハ発動機から、このような重要なプロジェクトのパートナーに選ばれたことは、我々がローラで築き上げてきたチームのレベルの高さを証明するものだ」と述べた。
また、ヤマハ発動機株式会社の丸山平二 取締役常務執行役員は「ヤマハ発動機は、持続可能性に貢献するさまざまな技術の研究開発を加速しています。我々は技術パートナーとして、フォーミュラEという最高レベルの電気自動車レースを通じて、より高度なエネルギーマネジメント技術を獲得したいと考えています。また、ローラが掲げる持続可能なモータースポーツという新しい哲学に共感しており、彼らとパートナーシップを結ぶことを非常に嬉しく、光栄に思います」と述べた。
1958年にエリック・ブロードレイによって設立されたローラ・カーズは、400種類に及ぶ約5000台ものレーシングカーを設計・製造し、これまでにインディカー、ル・マン、F1、フォーミュラ3000、A1GP、フォーミュラ・フォード、ツーリングカーなど、世界中のモータースポーツ選手権で成功を収めてきた。
ローラ・カーズのモータースポーツ・ディレクターを務めるマーク・プレストは「ローラ・カーズには、シャシーと空力設計における輝かしい成功の歴史がある。このプロジェクトを通して我々は、ソフトウェアに焦点を当てたユニークな電動プラットフォームを手にする事になる。これは、モータースポーツ技術の未来を定義するローラの広範な計画の基礎になるだろう」と述べた。