メルセデスF1チーム代表、2026年までトト・ウォルフ留任…新契約にサイン
トト・ウォルフが新たな3年契約にサインした。これにより少なくとも、次世代F1パワーユニット及びシャシーが導入される2026年シーズン終了まで、メルセデスF1チームの最高経営責任者(CEO)兼チーム代表を継続することになる。
52歳のオーストリア人元ドライバーは実業家として第二の人生を歩み、ウィリアムズへの投資を経て2013年にメルセデスに加入。以降10年間に渡って同職を務め、チームを7つのドライバーズタイトルと8つのコンストラクターズタイトルに導いてきた。
メルセデスF1チームは現在、ウォルフと英国の多国籍化学企業「イネオス」、そしてドイツの自動車会社「メルセデス・ベンツ」の3者が共同所有する形を取っており、ウォルフの続投はイネオスのオーナー、ジム・ラトクリフとメルセデス・ベンツのオラ・ケレニウスCEOとの会談を経て決定された。ウォルフは株式の30%を所持している。
メルセデスはF1パワーユニットの先行開発のアドバンテージを得て、2014年に始まったV6ハイブリッド時代を席巻したが、2022年にグランドエフェクトカー規定が導入されると一転、苦境に転じた。
新規定導入2年目の2023年は更なる試練のシーズンとなった。ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセル駆るシルバーアローは10年に渡るウォルフ在籍中、初めて一度も勝利を手にすることなくシーズンを終え、一部にはチーム代表退任の可能性を指摘する声も上がった。
しかしながらウォルフは1月15日に公開された英紙「Telegraph」とのインタビューの中で、CEO兼チーム代表として契約を更新したことを明らかにした。
また、「互いを信頼することが最も重要」と述べ、従来同様に新たな契約にもパフォーマンスに基づく解除条項は含まれていないと説明し、向こう3年に渡って期待外れの成績に終わったとしても自身の立場に影響を与えることはないと認めた。
2023年型「W14」の競争力不足が明らかになった昨シーズンの序盤、メルセデスはマイク・エリオットに代えてジェームズ・アリソンをテクニカル・ディレクターとして現場の最前線に復帰させた。
フェラーリ及びメルセデス黄金期の立役者にして、フェルナンド・アロンソとルノーのWタイトルにも貢献した大物エンジニアが開発の指揮を取る2024年の新車「W15」は、2月14日(水)に世界初公開される予定だ。