”追放”報道を受け「マルコなしに今の私は存在しない」とレッドブルF1代表ホーナー
御年80歳のモータースポーツ・アドバイザーの解任を企てているとの報道を受けレッドブルのクリスチャン・ホーナーは、27年来の付き合いであるヘルムート・マルコなしにチーム代表としての今の自分は存在し得ないと否定した。
英大衆紙「Mirror」とのインタビューの中でホーナーは、出会いを含むマルコとのこれまでの関係を振り返り「ヘルムートがいなければ、私は今のような立場にはいなかっただろう」と述べ、この噂を全面的に退けた。
「ヘルムートとの関係は、私がF3000の参戦に向けて初めてトレーラーを購入した1996年にまで遡る。彼から買ったんだ。その後、彼のチームと戦った」とホーナーは語る。
「そして彼がレッドブルのジュニアドライバーの責任者だった時、私は彼のドライバーとF3000の契約を結びチャンピオンを獲得した。その結果、彼は私をディートリッヒ・マテシッツに推薦し、チャンスを与えてくれた」
「ヘルムートがいなければ、私は今のような立場にはいなかっただろう。若手ドライバーと同じように私も彼にチャンスを貰ったんだ」
ホーナーによれば、世界的なエナジードリンク企業の共同創設者であり、マルコにとっての絶対的庇護者であったディートリッヒ・マテシッツが昨年10月に亡くなって以降、チーム内におけるマルコの状況は「少し変わった」ものの、以前と同じように率直に意見を交わし合っているという。
「我々はいつだってオープンな関係を楽しんできた。もちろん、意見が合わないことも時々あるが、それは健全なことだと思う。彼が望む限り、我々の仕事のやり方が変わることはないだろう。彼は80歳だが、今も元気だ」とホーナーは続ける。
「彼は今もチーム内で本当に重要な役割を担っているし、私を含めたチーム内の誰からも、そういった変化を望む声や意向は一切出ていない」
「このスポーツに参入した当初と比べると役割は進化し、ビジネスも大きく発展してきた。運営面では私が日々の仕事をこなしているが、ドライバーに関するものであれ戦略的なものであれ、重要な決定については当然、話し合う。このパートナーシップは長年に渡って機能してきた」
「我々の仕事のやり方は以前と同じだ。日々のレースの進め方は何も変わっていない」
ホーナーとマルコの2頭体制によりレッドブルはこれまでに、6度のコンストラクターズ選手権タイトルと、セバスチャン・ベッテルとマックス・フェルスタッペンによる7度のドライバーズ選手権タイトルを収めるなど、輝かしい成功を築き上げてきた。
ホーナーは「リーダー亡き後もグループは前に進んでいる。今年も記録的なシーズンを過ごしているし、経営は大いに健全で絶好調だ。ディートリッヒが体現し、チームにもたらしてくれた価値観を以て活動を続けていく」と付け加えた。