ダニエル・リカルド、F1復帰はアメリカGPに持ち越しか? 経過と見通しを説明するアルファタウリ
当初、ダニエル・リカルドの復帰は10月上旬のカタールGPが濃厚と見られていたが、10月下旬のアメリカGPまで持ち越しとなるかもしれない。
8月下旬のオランダGPのフリー走行で中手骨を骨折したリカルドは、今週末の日本GPを含めて4戦連続でグランプリを欠場する。
代役としてステアリングを引き継いだジュニアドライバーのリアム・ローソンは過去3戦でパドックに印象を与えるパフォーマンスを披露しており、先週末のシンガポールGPではチームにとっての今季最高成績を残した。
アルファタウリのチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、角田裕毅とローソンが2台揃ってトップ10に食い込んだF1日本GPのFP1を経て「まだしばらく先のことだと思う」と述べ、復帰戦の見通しが立っていない事を認めた。
「彼はまだ回復の途中段階だから、復帰はまだしばらく先の話だと思うし、目標を定めたくはない」
復帰後2レースしか消化していないにも関わらず、レッドブル首脳陣はリカルドの2024年続投を熱望していると伝えられており、アルファタウリは来季も角田裕毅を含めた現行ラインナップを維持すると見られている。
それはエドルズの「我々としても、彼としても、復帰を焦る必要はないと思う」との発言にも見て取れる。急いでシートに戻る必要がないのは、来季の契約がほぼ確実だからだろう。
エドルズによると回復は順調で、おそらくはカタールGPを前にシミュレーターを使って手の状態を確かめる事になるはずだが、問題はロサイル・インターナショナル・サーキットではスプリントフォーマットが採用されるという点にある。
仮にリカルドがFP1に参加し、セッションの途中で残りの週末を通してステアリングを握れる状態にない事が判明した場合、ローソンはいきなり予選を戦わなければならなくなる。
エドルズは「最悪なのは、きちんと治る前に復帰して問題が生じることだ」と付け加えた。
「最終的な決定は我々ではなく、彼が下す事になるのではないかと思う。痛みの具合や回復の程度は彼のほうが良く分かっているだろうからね」