アレックス・パロウ、マクラーレンからW提訴…契約違反騒動を経て
F1に参戦するマクラーレン・レーシングLtd.とマクラーレン・インディLLCが2023年8月16日(水)、アレックス・パロウと彼の活動母体であるALPAレーシングUSA, LLCを相手取り、賠償を求めて英国商事裁判所に提訴したようだ。
米「IndyStar」によるとこれら2件の訴訟は米国の多国籍法律事務所、モーガン・ルイス&ボキウスを代理人としたもので、パロウの現マネージャーを務めるロジャー安川氏は同メディアの電話取材に応じ、本件に関するコメントを拒否した。
法的手続き開始の5日前にマクラーレンのザク・ブラウンCEOは従業員に宛てた書簡の中で、26歳のスペイン人ドライバーが2024年に向けてチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)から移籍する事を約束し、これに基づき給与の前払いを含む「莫大な投資」を受けているにも関わらず、「契約を守るつもりはない」と通告してきた事を明かした。
これを受け、マクラーレン移籍に向け奔走していたモナコ・インクリース・マネジメントはパロウの決断を非難する旨の声明を発表した。明確には示されていないものの、パロウとのマネジメント契約を打ち切った可能性が高いと見られている。
今回の訴訟は昨年とは異なり、契約の遵守ではなく、これまでに支払われたと推計される8桁に及ぶ金銭の返済を主眼に置いたもののようだ。
パロウは昨年、契約を巡ってCGRから提訴された。CGRが2023年の契約延長オプション行使を発表すると、これに続いてマクラーレンがパロウの引き抜きをアナウンス。パロウは「続けるつもりはない」とCGRのリリースを否定した。
マクラーレンとF1リザーブ及び旧車でのテストドライブ契約を結んでいるパロウは今季3戦を残した現時点で、ランキング2位の僚友スコット・ディクソンに101ポイントものリードを築き、2021年以来、CGRとの2度目のチャンピオン獲得を手中に収めつつある。