F1市場にも波及か…アレックス・パロウ、2024年移籍契約を反故とマクラーレン
アレックス・パロウは当初、2024年に向けてチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)からアロー・マクラーレンに移籍する事が確実視されていたが、事前契約を反故にする意向のようで、F1ドライバーズ・マーケットに影響を及ぼす可能性もありそうだ。
AP通信によるとマクラーレンのザク・ブラウンCEOは、米国現地8月11日(金)にインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われたセッションを経て、アロー・マクラーレンの従業員に書簡を送った。
この書簡によるとパロウは、2024年に向けてCGRから移籍する事を約束し、これに基づき既に給与の前払いを含む「莫大な投資」を受けているにも関わらず、「契約を守るつもりはない」とマクラーレンに伝えたという。
「アレックスをチームに迎え入れるために我々は、多くの時間と資金、リソースを費やした。なぜなら我々は彼を信じ、彼とのインディカーでの勝利を楽しみにしていたからだ」とブラウンは語る。
「昨秋の論争を経て我々は、彼との契約に反映されているアロー・マクラーレンに対するアレックスのコミットメントを保証された」
「我々は2024年シーズンに向けて多額の初回支払いを行った。さらにF1テストプログラムや、将来的にF1マシンをドライブする可能性があるリザーブドライバーとして成長させるために数百万ドルを投じた」
「残念なことに、アレックスに対する我々の信念、コミットメント、投資、信頼は報われておらず、見当違いだったようだ」
26歳のスペイン人ドライバーは昨年、契約を巡ってCGRと揉め事を起こした。CGRが2023年の契約延長オプション行使を発表すると、これに続いてマクラーレンがパロウの引き抜きをアナウンス。パロウは「続けるつもりはない」とCGRのリリースを否定し、CGRから提訴される事態となった。
最終的にはCGRに残留し、マクラーレンとはF1リザーブ・ドライバー及び旧車でのテストドライブ契約を結んだ。パロウは今年、4戦を残した現時点でジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)に84ポイントをつけ、2度目のインディカー・シリーズ王者に向けて邁進している。
ブラウンの書簡に2024年のパロウの計画は記されておらず、またチップ・ガナッシも本件に関するコメントを拒否しているため、パロウがどのような選択をするのかは不明だが、昨年に続く混乱のシリー・シーズンは避けられそうにない。
パロウは既にアルファタウリおよびウィリアムズと話し合いの場を持ったと考えられている。サマーブレイク中に両チームから正式なオファーがあれば、F1ドライバーズ・マーケットにも波及する可能性がある。
ブラウンはパロウが契約を遵守しない可能性に備えて、2024年のドライバーラインナップを再考するとしている。
マクラーレンは当初、現ドライバーのパトリシオ・オワード、アレクサンダー・ロッシ、フェリックス・ローゼンクビストに加えてパロウを受け入れるために4台体制に拡充する事を検討していた。