雨のジル・ビルヌーブ・サーキットでアルピーヌA523をドライブするピエール・ガスリー、2023年6月17日F1カナダGP予選
Courtesy Of Alpine Racing

ガスリー、4基目エンジン第一号で降格崖…F1カナダ予選はQ1敗退。サインツへの怒り連ねる

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アルピーヌF1チームは2023年6月17日(土)のF1カナダGPの3回目のフリー走行を前に、ピエール・ガスリーのパワーユニット一式を交換した。レギュレーションで定められた上限目一杯の4基目に達した。

FIAテクニカル・デリゲートを務めるジョー・バウアーによるとアルピーヌは、10号車A523に今季4基目となるICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-K、そして5基目のエキゾーストを搭載。4基目第一号となり、ペナルティまで後一つに迫った。

エンジン全開率69%のジル・ビルヌーブ・サーキットでは週末に先立ち、角田裕毅(アルファタウリ)やフェラーリ勢、レッドブル勢を含む計8台がコンポーネントを交換した。ICE、ターボ、MGU-H、MGU-Kの年間上限は各4基、CE、ESは各2基、そしてエキゾーストは8セットに定められており、超過した場合はグリッド降格ペナルティが科される。

FP3を経て行われた予選では、カルロス・サインツ(フェラーリ)に走行を妨害され17番手でQ1敗退を喫した。スチュワードはサインツに3グリッド降格ペナルティを科した

妨害があった直後、ガスリーは無線で怒鳴り散らしたが、クルマを降りてなお、その怒りは収まっていなかった。

あからさまに不機嫌な表情でインタビューに応じたガスリーは「カルロスの走りは全く許されないものだった」と自身の見解を口にした。

「単純な話だ。僕が時速300キロで近づいている時に、彼は最後のシケインを時速30キロでノロノロ走って自分の事しか見てなかった。コース上にいるのは自分だけじゃないんだ」

「おかげで僕はラップを終えることさえできなかった。容易にトップ6に入れたはずなのに。それにあれはとんでもなく危険だった。全く必要のないものだった。はらわたをえぐられたような気分だ」

ガスリーは決勝レースに向けて他車の降格により15番グリッドに昇格するが、ここで追加のエンジン交換を行いペナルティを消化するもの一手だろう。

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