フェルスタッペン対アロンソ!F1モナコ予選オンボード比較:最終セクでの大逆転の要因はアウトラップか
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)による2023年F1第7戦モナコGPのポールポジション争いは、今後永らく語られるであろう歴史に残る劇的かつ白熱したものとなった。
特筆すべきはフェルスタッペンが0.204秒という大差の遅れを、19秒セクションの最終第3セクターのみでひっくり返したという点だ。壁という壁に触れる限界ギリギリ猛プッシュによって、その才能が非凡なものである事を改めて知らしめた。
セクター2までのフェルスタッペンの遅れのうち、0.15秒はサン・デボーテ(ターン1、約100km/h)とマスネ(ターン3、約150km/h)、0.05秒はヌーベルシケイン(ターン10、約80km/h)で発生したものだった。
フェルスタッペンはこのうちの0.1秒をプールサイド・シケイン(ターン15・16、約130km/h)でバリアに接触しながら取り返し、残りの0.1秒を最終一つ前のラスカス(ターン18、約55km/h)で埋め合わせてイーブンに持ち込むと、最終コーナーで0.1秒弱ほどのゲインを得て、再びバリアに触れながら1000分の84秒差でフィニッシュラインを駆け抜けた。
セクター | 勝者 | ゲイン(秒) |
---|---|---|
1 | アロンソ | -0.146 |
2 | アロンソ | -0.058 |
3 | フェルスタッペン | -0.288 |
ストレートではこれと言って差がつく事はなかった。各コーナーのおおよその通過速度を見てもらえれば分かるように、フェルスタッペンが失ったコーナーと得たコーナーの各々に明確な特徴は見て取れない。
つまり単純に第2セクターまでが遅く、第3セクターで速かったというわけだ。要因は何処にあるのか? すぐに思い浮かぶのはタイヤだ。フェルスタッペンはセクター3を重視してタイヤをウォームアップしていたのだろうか? 否、これは戦略的な理由によるものではなさそうだ。
「アウトラップは理想的なものじゃなかったと思う。残念な事に前に何台かが走っていて、狙っていたよりも少し低速でドライブしなきゃならなかったんだ」とフェルスタッペンは説明する。
「それが原因でセクター1で少し遅れたのかもしれない。というのも、モナコでは自信を以て攻め込めるかどうかが全てだからね」
「タイヤの準備が不完全と感じている時にターン1でブレーキを強く踏み込んだりはしない。あらゆる点で少し妥協を強いられるんだ」
「ここで完璧なラップを刻むためには多くの要素が絡んでくる」
フェルスタッペンとアロンソのオンボード比較映像は以下。