デ・フリース「マージンが殆どない」奮わぬ原因は…4戦終えてサージェントと並び唯一無得点
ニック・デ・フリース(アルファタウリ)は今のところ、チームメイトの角田裕毅に全く太刀打ちできておらず、経験豊富なルーキーとの前評判に沿う結果を残せていない。
昨年のモンツァを除いてF1でのキャリアがゼロとは言え、FIA-F2選手権王者にしてフォーミュラEまでをも制した28歳のオランダ人ドライバーには、プレシーズンの段階で各方面から高い期待が寄せられていた。
だが、角田裕毅が一貫してトップ10を争い、第3戦と4戦で連続入賞を果たした一方、デ・フリースは同じ新人のローガン・サージェント(ウィリアムズ)と並び、唯一ポイントを獲得できていない。
とは言え、消化したのは僅か4戦であることに加えて、いずれもF1カレンダーにおける標準的なコースとは言い難く、特にジェッダ、アルバートパーク、バクーはミスが一切許されないという点で新人に厳しい市街地(仮設)コースであり、挙げ句、アゼルバイジャンはプラクティスが僅か60分間のみのスプリント・フォーマットが採用された週末だった。
つまり現時点で安易に評価を下すのは時期尚早というだけでなくフェアとは言えず、デ・フリースのポテンシャルを見誤る危険性をはらんでいるが、本人は「言い訳を探すのはあまり好きではない」と自身を擁護しない。
マイアミGPに先立ち、パーマネント・コースでの週末が殆どなく市街地戦が続く状況は自身にとってきついかと問われたデ・フリースは「ストリートコースはマージンが殆どない」と述べ、単に「僅かな誤り」によって結果が伴っていないだけだと主張した。
アゼルバイジャンではFP1で6番手タイムと好発進を決めながらも、決勝では序盤にバリアに衝突してトラックロッドを折るという「本当に愚かで不要なミス」を喫して2戦連続のリタイヤに終わった。
マイアミではこの悪い流れを断ち切る事が求められるが、デ・フリースは「ペースは本当に良かったし、チームとして前進できたし、かなりの競争力を発揮して週末をスタートできた」と述べ、ポジティブな側面に目を向けた。
実際、オーストラリアでの新型フロアに続きAT04に投入された低ドラッグパッケージは上手く機能しており、チーム代表のフランツ・トストは英国ビスターの空力部門の「素晴らしい仕事」の賜物だと評価した。
マイアミ・インターナショナル・オートドロームについてデ・フリースは、セクター1こそ若干高速ながらも、市街地という特性とロングストレートの存在に触れてAT04が競争力を発揮したバクーとの類似性を指摘し、アップグレードの成果もありチームとして「前進しているのは確実」であり、「再び速さを見せる事ができればと思ってる」と付け加えた。