トストに代わりメキースがチーム代表に…アルファタウリF1、大規模再編を発表
スクーデリア・アルファタウリは第4戦アゼルバイジャンGPの開幕を2日後に控えた2023年4月26日(水)、フランツ・トストのチーム代表退任と、その後任としてのローラン・メキースとの契約を含む大規模な人事再編を発表した。
チームによるとこれは「長期的な安定性と継続性の確保」を目的とするもので、2005年のチーム設立時から18年間に渡ってチームプリンシパルを務めてきた67歳のオーストリア人マネージャーは今季末を以てチーム代表の座を退く。
代わって現在、スクーデリア・フェラーリでレーシング・ディレクターを務めているメキースが新しいチーム代表として古巣、ファエンツァのチームに加わる。移籍のタイミングについては現時点では未定との事で、後日決定される。
トストの指揮の下、トロ・ロッソとアルファタウリはモンツァでの2度の優勝を果たした。チームにとっての初勝利となった2008年の雨の母国イタリアGPではセバスチャン・ベッテルが、2020年にはピエール・ガスリーがそれぞれ表彰台の頂点に立った。
ガスリーの表彰台が象徴的なように、ホンダエンジン搭載後は中団上位を争う競争力を発揮していたものの、新型グランドエフェクトカーが導入された昨年はコンストラクター選手権9位に後退。巻き返しを図るべく臨んだ今季は3戦を終えて9位と、低迷から脱却できておらず、トストの進退に関する噂も流れていた。
ただし、4度のF1王者ベッテルや現役F1ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペン、ガスリーやダニエル・リカルド、カルロス・サインツといった次世代のグランプリウィナーや王者たちの育成に多大な貢献を果たしてきた実績が認められ、トストは2024年以降もコンサルタントという立場でチームと協力していく。
また、昨年5月末まで国際自動車連盟(FIA)でF1エグゼクティブ・ディレクター兼スポーツ担当事務総長を務めていたピーター・バイエルが今年後半に最高経営責任者(CEO)としてチームに加わり、ファエンツァと英国の両ファクトリーにおける戦略的方向性を監督する事も合わせて発表された。
45歳のフランス人エンジニア、メキースにとってアルファタウリはF1キャリア初期を過ごした古巣だ。
アロウズで4輪最高峰クラスでのキャリアをスタートさせたメキースは、その翌年の2002年にレースエンジニアとしてミナルディに移籍。2006年のトロ・ロッソ改称と同時にチーフエンジニアに抜擢され、その後は車体パフォーマンス部門の責任者を務めた。
12年に渡ってファエンツァのチームで過ごした後、セーフティー・ディレクターとして2014年に国際自動車連盟(FIA)に加わると、2017年にF1副レースディレクターに就任。その翌年にスクーデリアに移籍した。