フェラーリF1パワーユニットに新たな信頼性懸念、ヒュルケンベルグの今季初入賞を危機に晒したトラブル
スクーデリア・フェラーリ製F1パワーユニット(PU)に新たな懸念材料が発覚した。2023年F1第3戦オーストラリアGPの決勝でニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の今季初ポイントを危機に晒したのはMGU-Kのトラブルだったようだ。
ヒュルケンベルグはチェッカーを目前に、無線を通してレースエンジニアのゲイリー・ギャノンに「くそ!エンジンが壊れた」との報告を入れた。フィニッシュラインに届かず無得点に終わるという最悪のシナリオがよぎった。
「大丈夫だ、最後まで行ける」と背中を押されて幸いにも7位でフィニッシュ。今季初となる6ポイントを得たが、その直後「急いでクルマを止めろ」との指示が飛び、ターン2にVF-23を停めた。まさに幸運と言う他になかった。
ギャノンはヒュルケンベルグに対し「ボンネットに乗ってジャンプするんだ。クルマに触れるなよ」とERSジャンプを指示した。
独「Auto Motor und Sport」によるとトラブルの原因はMGU-Kだった。本家フェラーリやアルファロメオを含む全ての跳馬PU勢にとって懸念となる可能性があると伝えた。
フェラーリの2023年型PU「066/10」は開幕から信頼性トラブルに見舞われた。シャルル・ルクレールは3番手を走行していたバーレーンGPをエンジントラブルでリタイヤせざるを得なかった。
ルクレールは第2戦でICE(内燃エンジン)、MGU-Hに加えてCE(コントロール・エレクトロニクス)を交換。2023年シーズンの降格ペナルティ第一号となった。初戦のトラブルはMGU-Kとは無関係だった。つまりメルボルンでのヒュルケンベルグの一件はマラネロのエンジニア達にとって新たな頭痛の種と言える。
更に第3戦ではアルファロメオとハースを含むすべてのフェラーリPU勢が早くも2基目のICEに手を付けた。シーズン残り20戦の中で後1基を開封すればグリッド降格ペナルティが科される。