角田裕毅、僅か25秒で8台オーバーテイクを決めた経緯 / F1オーストラリアGP
2023年F1オーストラリアGPのラスト2周のスプリント。13番手からスタートした角田裕毅(アルファタウリ)は僅か25秒ほどで8台をオーバーテイクし、一気に5番手にまで急浮上した。一体、何が起きていたのか?
最高の蹴り出しを決めてターン1を前に周冠宇とオスカー・ピアストリをパス。イン側に飛び込みランド・ノリスの背後につくと、アウト側での混乱を回避してエステバン・オコンとサイド・バイ・サイドでターン2へ向かっていった。
カルロス・サインツとの接触により芝に吸い込まれていったフェルナンド・アロンソを横目に、リアを滑らせながらも上手く体制を立て直し、ターン2の出口を前に2台のアルピーヌを交わして7番手に順位を上げた。
続くターン3では、ランス・ストロールがグラベルに飛び出た事でノリスがコーナーへの進入で遅れ、これをイン側から抜き去ってニコ・ヒュルケンベルグの背後、5番手につけた。ヒュルケンベルグは「後ろがツノダってマジ??」と驚きを隠さなかった。
F1もこのドラマティックなポジションアップに注目。22号車AT04のオンボード映像をフィーチャーした。
Rapid off the line, and quick to avoid the chaos at Turn 1 💪
👏 @yukitsunoda07 #AusGP #F1 pic.twitter.com/0yCyxBByTH
— Formula 1 (@F1) April 3, 2023
ただこの奮闘が報われる事はなかった。ラスト2周で4台がリタイヤという大混乱を経て、レースコントールはリスタート前の順位を採用。これにより角田裕毅の8台抜きはなかった事にされた。
アロンソとの接触の「全責任」を問われたサインツが5秒ペナルティを受けたため、角田裕毅は繰り上がりの11位となり今季初ポイントをチームに持ち帰ったが、掴みかけた5位を失った事に対する不満は隠し難く、決定に納得いかない様子を見せた。