ウォールとの衝突によって破壊され宙に飛んだケビン・マグヌッセン駆るハースVF-23の右リアホイール、2023年4月2日F1オーストラリアGP
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F1:恐怖…片腕大のデブリ飛来で出血 一部始終を語る負傷の観客、オーストラリアGPのマグヌッセン事故

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F1オーストラリアGPの観戦のためにアルバート・パークに訪れたファンの男性が、2日(日)のレース最終盤のケビン・マグヌッセン(ハース)のクラッシュにより飛んできた片腕大のデブリで出血を伴う傷を右腕に負った。

残り5周という最終盤、マグヌッセンがターン2の出口側のウォールと衝突。左リアタイヤがコースに脱落し、破損したリムの一部が空高く舞い上がった。ウィル・ストリートと名乗る男性ファンはちょうどこの時、ターン2の近くで観戦していた。

地元テレビ局のインタビューに応じたファンは「私の目の前でフェンスを越えてデブリが飛んできたんです。周りにいた人の多くは騒ぎになって、私の右腕に直撃しました」

幸いにも大事に至ることはなく、ファンはハースVF-23のホイールリムの残骸を手にSNSに写真を投稿した。そのサイズは1メートル近くあったようだ。

「それほど深刻な怪我ではありませんでしたし、正直なところ、かなり運が良かったと思いました」とファンは続ける。

「かなりの大きさの破片でした。隣に婚約者が立っていたのですが、彼女は私よりも少し背が低く、もし私の腕に当たっていなければ彼女の頭に当たっていたかもしれません」

「本当にラッキーだったと思います」

事件の後、婚約者は安全に不安を感じていたようだが、男性は「その場に留まるよう彼女を説得しました。素晴らしいレースでしたからね。その後、2台のアルピーヌが私達の目の前で再びクラッシュしました。彼女の言う通りでしたよ!」と語った。

観客席は騒然となったようだが、それとは対照的にコックピット内は平穏だったようだ。

「(衝撃を)感じることさえなかった。クルマの中においては間違いなく、大きく感じるようなものじゃなかった」とマグヌッセンは振り返った。

「それでもリムを破壊してタイヤが外れるのには十分だった。残念だけど、あの時は12番手を走行していたからポイントが取れそうな感じじゃなかった」

「今日は僕の日にはならなかったけど、クルマのペースはまずまずだったように思うし、それを励みにして次はプッシュしていくつもりだ」

インタビューに応えるケビン・マグヌッセン(ハース)、2023年3月29日F1オーストラリアGPCourtesy Of Haas

インタビューに応えるケビン・マグヌッセン(ハース)、2023年3月29日F1オーストラリアGP


4月2日(日)にアルバート・パーク・サーキットで行われた2023年F1第3戦オーストラリアGP決勝レースでは3回に渡って赤旗が振られ8台がリタイヤするという大混乱のレースとなり、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾る結果となった。

バクー市街地コースを舞台とする次戦アゼルバイジャンGPは4月28日のフリー走行1で幕を開ける。

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