マクラーレンF1、大幅再編でジェームス・キーと決別…TD職を廃止して技術部門3頭体制へ移行
マクラーレン・レーシングは3月23日(木)、テクニカル・ディレクターのジェームズ・キーの離脱並びに、元フェラーリの車両コンセプト責任者であるデビッド・サンチェスの起用を含むF1技術部門の大幅再編成を発表した。
技術部門全体を監督するエグゼクティブ・テクニカル・ディレクター体制は廃止され、以下の3名の専門テクニカル・ディレクターからなるF1テクニカル・エグゼクティブチームを導入する。
32年に渡るF1でのキャリア、そしてワールドチャンピオンを勝ち取った実績を持つピーター・プロドロモウは、エアロダイナミクス担当テクニカル・ディレクターに就任し、空力チームを指揮する。
デビッド・サンチェスはフェラーリでの10年間を経て、今年一杯ガーデニング休暇を取り、車体コンセプト兼パフォーマンス担当テクニカル・ディレクターとして2024年1月1日付けでマクラーレンに復帰する。
2006年にウォーキングのチームに加わり、テクニカルリーダーとして高い評価を受けるニール・ホールディは、エンジニアリング&デザイン担当テクニカル・ディレクターに昇格する。
また、ジュゼッペ・ペッシェがエアロダイナミクス担当ディレクター兼チーフ・オブ・スタッフに昇格。プロドロモウの部下としてエアロ部門をサポートする事が発表された。
更に技術部門とは別に、ピアーズ・シンが新たに設置されたF1チームの最高執行責任者(COO)に就任した。COOの役割についてマクラーレンは「マクラーレン内のスタンダードを革新・向上させるミッションにおいてチーム代表をサポートし、グリッドの先頭で争うための強い態勢を整えるもの」だと説明した。
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— Piers Thynne (@piersthynne) July 1, 2022
チーム代表を務めるアンドレア・ステラは「まずはジェームズの仕事ぶりと献身に感謝したい。今後の活躍を願っている」と述べ、「将来を見据え、私はマクラーレンを再び上位に導くことを決意し、全力を注いでいる」と続けた。
「チーム・プリンシパルに就任して以来、私は、長期的な基盤を確立し、長年に渡って積み上げていけるよう、戦略的なアプローチを採ることを任されてきた」
「この新体制はチームの技術部門に明快さと有効性をもたらすものだ。これにより我々は、2023年に予定されている新しいインフラの最適化を含め、パフォーマンスを最大化するための強力なポジションを得ることができる」
マクラーレンは今年後半に、最新鋭の風洞やシミュレーターなどの新しいインフラの稼動を予定している。
ステラは「ピーターとニールに加え、デビッド・サンチェスをチームに迎えた事で、経験豊富で専門性の高いテクニカルエグゼクティブチームを完成させる事ができ嬉しく思う」と続ける。
「ピアーズは革新的で効果的なF1チームを作るための計画を策定、実行する上で基本的な役割を果たしてくれるはずだ」
マクラーレンは2020年にコンストラクター選手権3位にまで復活したものの、その後は4位、5位と成績は右肩下がりの状況で、2023年シーズンについては開幕2戦を終えてまだ1ポイントも獲得できていない。