
マクラーレン、F1技術部門”3本柱”の一角が…僅か3ヶ月でデビッド・サンチェスが離脱
マクラーレンF1チームの車体コンセプト&パフォーマンス担当テクニカル・ディレクター、デビッド・サンチェスが、チーム加入からわずか3カ月で離脱した。
マクラーレンは昨年、テクニカル・ディレクターの1トップ制を廃止し、3名の専門テクニカル・ディレクターを技術部門のトップに据える大規模な組織再編を発表。今季より新体制がスタートしたが、その一角を担っていたサンチェスの離脱により、早くも計画の見直しを迫られることとなった
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
スパ・フランコルシャンのコースを歩くフェラーリのデビッド・サンチェス、2018年8月23日F1ベルギーGP
長年に渡って空力のスペシャリストとしてフェラーリで活躍してきたフランス出身のF1エンジニアは、ガーデニング休暇を経て年明け早々に古巣マクラーレンに合流したばかりだった。
マクラーレンは第4戦日本GPを週末に控えた2024年4月2日、「多くの議論」を経てサンチェスがチームを去った事を明らかにした。
サンチェスの離脱理由について、チーム代表を務めるアンドレア・ステラは「互いに話し合った結果、デイビッドの立場に関連する役割、責任、野心が、2023年2月に彼がチームに加わると同意した際の我々の当初の期待と一致していないことが明らかになった」と説明した。
「これを踏まえてデイビッドと私は、彼の卓越したスキルセットをより良く活用できる他の機会を彼が追求できるよう、今別れるのが最善との同意に至った」
一方、サンチェスは「我々が思い描き、合意していた役割と現実は一致しなかったが、私は首脳陣への敬意と同僚の献身への賞賛、そして議論を経てこの決断に至った率直さと誠実さに感謝している」と語った。
「このチームが、本来あるべきグリッド最前線への旅を続けながら、さらなる成功を収めることを祈っている。私はF1での次の挑戦を楽しみにしている」
サンチェスの離脱を受けマクラーレンは技術部門の変更を余儀なくされた。
サンチェスが率いていた車体コンセプト&パフォーマンス部門は、今後パフォーマンスに重点を置く部門へと改定される。サンチェスの後任となる新たなパフォーマンス担当テクニカル・ディレクターが任命されるまでは、ステラ代表がその役割を兼務する。