”滅多にない”問題に見舞われたメルセデス「それが最大の懸念事項」レースのスパイスとなるか
11月18日(金)のF1アブダビGP初日セッションに臨んだメルセデスはFP1でタイムシートのトップを独占したものの、気温が下がったFP2では調子を落とし、ジョージ・ラッセルは最速を刻んだマックス・フェルスタッペン(レッドブル)からコンマ35秒落ちの2番手、ルイス・ハミルトンはコンマ6秒落ちの4番手に後退した。
エンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは「シングルラップとロングランの両方でペースが少し足りなかった」とした上で、奇妙な事に目下最大の課題はデグラデーションだと説明した。
メルセデス「W13」は通常、予選よりも決勝のペースが良く、デグラデーションの低さがライバルに対する大きな強みの1つである事が知られている。
ショブリンは「滅多にない事なのだが、ライバルと比べてデグラデーションが大きかったようなので、その点を掘り下げて原因を解明していく事になる。それが今の最大の懸念事項だ」と語った。
理論上は逆転のコンストラクター2位も可能だが、19点差をひっくり返してフェラーリを打ち破るのは決して簡単なことではない。メルセデスはFP1の大部分を今週末に向けた準備ではなく、2023年型マシン「W14」の開発に関わるテストプログラムに時間を割いた。
「最初のセッションにかなりの数のテスト項目を詰め込んだため、レースに向けた準備としては、いつものように集中的に取り組む事ができなかった」とショブリンは説明した。
日曜のレースのスパイスとなる可能性があるだけに、2日目に向けてどこまで改善できるか興味深いところだ。
なおラッセルは「クルマの速さは感じられたけど、シングルラップのペースではレッドブルに先を越されたし、ロングランではもっとかもしれない」と語り、レッドブルに対して劣勢にある事を認めたが、フェラーリとは勝負できると考えている。
「フェラーリと比べれば僕らのパフォーマンスは真っ当に見えるから、明日の予選ではトップ3を懸けて戦えると思いたいし、その上で日曜のレースでどれだけやれるか見てみたい」とラッセルは付け加えた。
ハミルトンは「FP2ではタイヤを適切なウィンドウに入れるのに時間がかかった。ちょっとばかりサイコロを振るようなものだった」と述べ、予選でのタイヤマネジメントに対する不安をのぞかせた。
2022年F1アブダビGPフリー走行2で最速を刻み初日をトップで締め括ったのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。2番手以下にコンマ3秒以上の差をつけた。
アブダビGPの3回目のフリー走行は日本時間11月19日(土)19時30分から、公式予選は同23時から各々1時間に渡ってヤス・マリーナ・サーキットで開催される。