ハースF1、ヒュルケンベルグと契約との独報道「本当に気の毒」なシューマッハの行き先はメルセデス?
ドイツ「Bild」によるとハースは、「本当に気の毒」なミック・シューマッハではなくニコ・ヒュルケンベルグを2023年のケビン・マグヌッセンのチームメイトとする事を決定しており、15日(火)にも契約締結の見通しだという。
ドライバー交代の理由はシューマッハの成長曲線が期待よりも緩く、また、シーズンを通して幾度となくクラッシュを喫した事で予定外の支出があまりも多すぎた事にあるという。
シューマッハは世界中のメディアの注目とスポンサーマネーをハースにもたらす一方、2022年シーズンだけで300万ユーロ、日本円にして4億3400万円以上の損害を発生させたと見積もられている。
シューマッハの離脱に伴い、既に一部のスポンサーが契約を打ち切る動きを見せているというが、ハースは3週間前に国際送金ネットワーク事業を営む「マネーグラム」との新たなタイトルスポンサー契約を発表しており、2023年以降の予算はトップチーム水準となる見通しでダメージは限定的とみられる。
正式発表こそないが、2023年のレギュラードライバーが内定しているのは確実だ。
チーム代表を務めるギュンター・シュタイナーはF1サンパウロGPのイベント2日目に、既にラインナップに関して決定を下し、あとはプレスリリースを書くだけの状況かと問われると「その通りだ。現在、状況を整理中だ」と答えた。
シュタイナー代表は今年のシューマッハの仕事ぶりについて「少し浮き沈みがある」として、「昨日もそうだった。Q1では素晴らしい仕事をしたのに、本当に気の毒なくらいだった」と予選内容を振り返った。
「ノックアウトする前の最初の2回の走行はかなり良かったんだ。だがドライタイヤに履き替えた後はフィーリングを失ってしまった」
「アウトラップで何台かに抜かれた時に(タイヤの)熱が少し下がってしまい、そのあと温度を戻すことができず、スライドし始めてああいう結果に終わってしまった」
「昨日は兎に角、彼にとって上手くいかなかった。でもそれ以外はシーズンを通して、非常に良い時もあった。同時にかなり悪い時もあった。アップダウンが激しかった」
シューマッハは師であるセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)と共に2022年末を以てF1から去るのだろうか?
Bildによるとシューマッハはメルセデスの来季F1リザーブドライバーに収まる可能性があるという。
ニック・デ・フリースのアルファタウリ移籍、そしてストフェル・バンドーンのアストンマーチン移籍に伴い、チームは現在、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルのバックアップとしての後任を探している。
リザーブとしてのシューマッハ起用の可能性について問われたメルセデスのトト・ウォルフ代表は「シューマッハ家とメルセデスとの関係、そして我々がミックを非常に高く評価している事は秘密ではない」と返した。
メルセデスのリザーブに関しては一時、ダニエル・リカルド(マクラーレン)が有力とも見られていたが、レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは33歳のオーストラリア人ドライバーと話し合っている事を認めており、古巣復帰の可能性が高まっている。
ヒュルケンベルグしろシューマッハにしろ、発表は今週に行われる。シュタイナーは12日(土)のインテルラゴスで「来週のいずれかに発表されるだろう」と明かしている。