伝説の6輪F1マシン「タイレルP34」、東京新橋に実車登場—6月30日までタミヤ旗艦店にて無料展示

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6輪のF1マシン―それは、常識を打ち破るチャレンジだった。1976年のF1世界選手権で華々しくデビューし、その唯一無二のフォルムと競争力で多くのファンを魅了した伝説のマシン「タイレルP34」。この実車が、東京・新橋の模型ファンの聖地「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」で、2025年5月20日から6月30日まで展示される。

独創の6輪F1、時代を超えて新橋に

タイレルP34は、前輪4輪・後輪2輪という異例の構成を採用したF1マシンだ。空気抵抗の低減と前輪グリップの向上を狙い開発されたこのモデルは、1976年のスウェーデンGPで1-2フィニッシュを達成するなど、ただの奇抜なアイデアではないことを証明した。

その年の10月、日本初のF1世界選手権である「F1世界選手権イン・ジャパン」(富士スピードウェイ)にも出場し、大雨の中を2位でフィニッシュ。日本の観客に強烈なインパクトを与えた。

あの伝説のレースからおよそ半世紀を経た今、その実車が間近に見られる機会が、東京都港区の新橋で実現した。

1976年型F1マシン「ティレルP34」、2012年7月22日シルバーストーン・クラシック2012creativeCommons David Merrett

1976年型F1マシン「タイレルP34」、2012年7月22日シルバーストーン・クラシック2012

タミヤが伝える「模型文化」と実車の融合

今回の展示は、タミヤが運営する旗艦店「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」のオープン1周年を記念して企画された。同店は「タミヤの今が、ここにある。」をコンセプトに、プラモデルやミニ四駆、R/Cカーなど約6,000点の製品を取り揃える総合模型拠点だ。

展示されているタイレルP34の実車は、タミヤ本社が所有・保存している貴重な1台であり、過去には静岡ホビーショーでも披露された実績を持つ。今回はギャラリーウォールでの関連資料展示や、記念スピードくじなど、関連企画も多数実施されており、模型ファンやモータースポーツファンにとっては見逃せない内容となっている。

模型から広がる“実物”の世界

実はこのタイレルP34、1977年にタミヤが1/20および1/12スケールでプラモデル化し、日本のスーパーカーブームの中で大ヒットを記録したモデルでもある。今なお現役で販売が続くこのキットは、模型を通じて「作る楽しさ」と「モータースポーツの魅力」を伝え続けている。

模型をきっかけにF1の世界に興味を持ったファンも少なくない中、その実車が目の前に現れるという体験は、模型文化が築いてきた“リアル”とのつながりを体現するものといえる。

実車展示は6月末まで、入場無料

展示は2025年6月30日(月)まで。場所は東京都港区新橋の新虎安田ビル1階、TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO。平日は11時から20時まで、土日祝は10時から19時まで営業しており、入場は無料。

混雑時には入場制限が行われる可能性があるため、来場を予定している方は事前に公式情報を確認するのがよいだろう。