フランツ・トスト(スクーデリア・アルファタウリ)、クリスチャン・ホーナー(レッドブル)、トト・ウォルフ(メルセデスGPエグゼクティブディレクター)、アンドレアス・サイドル(マクラーレン)、ローラン・ロッシ(アルピーヌCEO)、2022年2月23日にカタロニア・サーキットにて行われたプレシーズンテスト初日のFIAチーム代表プレスカンファレンスにて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

ビノット退任騒動…全F1チーム代表の在任期間をグラフ集計、抜きん出るクリスチャン・ホーナー

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フェラーリは”否定的”な声明を発表したものの、続投を明言する事はなかった。報じられているように、シャルル・ルクレールとの関係悪化、タイトル争い敗北の引責として更迭された場合、マッティア・ビノットは2022年末を以て4年に渡るチーム代表としての役割に終止符を打つ事となる。

1993~2007年までマラネッロのチームを束ね、第2黄金期を築き上げたジャン・トッドが去って以降、赤き跳馬のF1トップは3度に渡って交代している。

ルノー・スポールのジェローム・ストール社長とFIAジャン・トッド会長、2018年F1イタリアGP決勝Courtesy Of Renault

ルノー・スポールのジェローム・ストール社長とFIAジャン・トッド会長、2018年F1イタリアGP決勝

2008年~2014年4月までは現F1最高経営責任者(CEO)のステファノ・ドメニカリが務めた。続くマルコ・マティアッチの在任は7ヶ月に過ぎなかった。そして2015年から3年に渡ってチームを率いたマウリツィオ・アリバベーネを経て、技術畑出身のビノットが抜擢された。

マクラーレンも同様に、2009年以降はマーティン・ウィットマーシュ、ロン・デニス、エリックブーリエ、そして現職のアンドレアス・ザイドルと、4名の交代があった。

元マクラーレンのチーム代表であり、アストンマーチン・パフォーマンス・テクノロジーズのグループCEOに就任したマーティン・ウィットマーシュCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

元マクラーレンのチーム代表であり、アストンマーチン・パフォーマンス・テクノロジーズのグループCEOに就任したマーティン・ウィットマーシュ

つまり、数年でチームのトップが入れ替われるのは決して珍しいことではないが、以下の表にあるように、中にはオーナーからの全幅の信頼を得て創設から一貫してチームを率いている者もある。

F1チーム代表の在任期間一覧(2022年末)
代表者
チーム
在職年数
クリスチャン・ホーナー
Red Bull Racing
18年(2005年~)
フランツ・トスト
AlphaTauri
17年(2006年~)
トト・ウォルフ
Mercedes
10年(2013年~)
ギュンター・シュタイナー
Haas
7年(2016年~)
フレデリック・バスール
Alfa Romeo
6年(2017年~)
マッティア・ビノット
Ferrari
4年(2019年~)
アンドレアス・ザイドル
McLaren
4年(2019年~)
ヨースト・カピート
Williams
2年(2021年~)
オトマー・サフナウアー
Alpine
1年(2022年~)
マイク・クラック
Aston Martin
1年(2022年~)

こうして改めてグラフで見ると、故ディートリッヒ・マテシッツからの全幅の信頼を得ていたクリスチャン・ホーナー(レッドブル)とフランツ・トスト(アルファタウリ)の勤続年数の長さが際立つ。

2005年1月に31歳という史上最年少でF1チーム代表になったホーナーも、気づけば今日(11月16日)、48歳の誕生日を迎えた。それでもなお、46歳のザイドルに次ぐ2番目の若さを誇る。

チーム創設当初から一貫してチームプリンシパルを務めているのは先の2人だけではない。2016年の初参戦から変わらずハースを率いているのはギュンター・シュタイナーだ。実際に就任が発表されたのは2014年4月の事で、参戦準備期間を含めると在任期間は9年に及ぶ。

クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)、フレデリック・バスール代表(アルファロメオ)、ギュンター・シュタイナー代表(ハース)、2022年5月7日F1マイアミGPのプレスカンファレンスにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)、フレデリック・バスール代表(アルファロメオ)、ギュンター・シュタイナー代表(ハース)、2022年5月7日F1マイアミGPのプレスカンファレンスにて

トト・ウォルフも10年と長期だが、レッドブルファミリーの2人やシュタイナーとは異なり、メルセデスのチーム代表兼CEOは共同オーナーであり、雇われの立場ではないため意味合いが異なる。

ビノットの後任として取り沙汰されているフレデリック・バスールは、ザウバーCEO兼チーム代表として6年のキャリアを誇る。その前年には、ロータスの買収を経てワークス復活したルノー・スポールF1チームのチーム代表を務めていた。

バスールはルクレールのF1デビュー時のチーム代表というだけでなく、2016年のGP3チャンピオン獲得の際にルクレールが所属していたARTグランプリの創設者でもある。