角田裕毅かデ・フリースか…アルファタウリの2023年”旗ふり役”について口を開くトスト
F1の経験が豊富な角田裕毅か、あるいはレース及びチャンピオン経験で勝るニック・デ・フリースか。2023年のアルファタウリのチームリーダー役についてフランツ・トスト代表が口を開いた。
長年に渡ってチームに在籍してきたピエール・ガスリーがアルピーヌへと移籍する事で、開発の方向性やフィードバック、セットアップ、顔役といった点で誰が後任としてチームを率いていくのが注目されている。
デ・フリースはF1キャリアこそ1戦に過ぎないが、他のカテゴリーを含めた総合的観点からは角田裕毅を遥かに凌ぐ経歴を持つ。
2019年のFIA-F2選手権に続き、2020/21シーズンにはフォーミュラEでワールドタイトルを獲得。また、メルセデスF1のリザーブ兼開発ドライバーとして豊富な経験を持つだけでなく、ウィリアムズとアストンマーチンの最新型F1マシンをも熟知している。
モータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは経験や性格を理由にデ・フリースが「チームを率いるべき」との考えを示しているが、トストはこれについて明言を避け、現段階ではリーダー議論に熱中するよりもAT04を競争力溢れるマシンに仕上げる事が重要だと述べた。
メキシコシティでマルコの発言について意見を求められたトストは「見守ることになるだろう。ユーキの方がF1での経験は豊富だが、ニックは彼よりも年上でレース経験も潤沢だし、数多くのレースやチャンピオンシップを勝ち取っている」と答えた。
「何より重要なのは、我々が競争力のあるマシンをドライバーに提供することだ。そうすれば二人ともクルマのセットアップが容易になるし、いいパフォーマンスを発揮できる」
「一体、どちらのドライバーが速いのかについてはまだ分からない。二人とも高いポテンシャルを秘めているから楽しみだよ」
「どちらも速い。成功したシーズンを送ることができると思う」
メルセデスとの現行契約があるため、デ・フリースは11月の最終アブダビGPの閉幕まで行動が制限されるものの、既にシート合わせを行うなど来季フル参戦デビューに向けて着々と準備を進めている。
「彼とは既に何度も連絡を取り合っている。ファエンツァでシートを作り、昨日も会った」とトスト。
「いつも雑談するんだ。お互いを知ることは興味深く、凄く大切なことだからね。私はできるだけ早く彼をチームに溶け込ませたいと思ってる」
デ・フリースの仕事初めは最終戦後にヤス・マリーナ・サーキットで行われるポストシーズンテストだ。
「アブダビで行われるヤングドライバーテストでクルマやチームにもっと慣れてもらう予定だ」とトストは続ける。
「2023年に向けて可能な限り最善の方法で準備を整えるために、彼のためにオフシーズン中のプログラムを用意している」
角田裕毅は第19戦アメリカGPで10位フィニッシュを飾った。第6戦スペインGP以来、13戦ぶりのポイント獲得だったが、入賞から遠ざかっていた事は必ずしもレース内容が悪かったためではないとトストは強調した。
「ユーキはこれまで、本当に良いレースをしてきたと言わざるを得ない。毎回、ポイント獲得に近づいていたが、様々な理由でそれを達成できていなかった」
「ありがたい事にオースティンで彼は、チームと共に全てをまとめ上げてポイントを獲得してくれた」