2023年仕様のプロトタイプタイヤを装着してサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を周回するカルロス・サインツ(フェラーリ)、2022年10月21日F1アメリカGP FP2
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

サインツ、0.092秒差の三つ巴制してPPも「優勝候補はレッドブル」角田は目標届かず / F1アメリカGP《予選》結果とダイジェスト

  • Published:

2022年シーズンのFIA-F1世界選手権19戦アメリカGPの公式予選がオースティン現地10月22日(土)にサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われ、カルロス・サインツ(フェラーリ)が通算3回目のポールポジションを獲得した。

サインツは1分34秒356をマーク。僚友シャルル・ルクレールを0.065秒差で2番手に抑えて堂々のトップに立ったが、決勝でレッドブルからポジションを守るのは難しいと考えている。

元インディカードライバーのダニカ・パトリックからのグリッドインタビューを受けたサインツは「楽しかった!ホント、楽しかったよ」と語った。

「風が強くてトリッキーで、この世代のマシンだと少し危なっかしかったけど、何とかノーミスでまとめきれた。ポールポジションは久しぶりだ」

「明日はレースペースが速いレッドブルが優勝候補だと思うけど、全力を尽くして何とか前に留まって勝ち取れればと思ってる」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は第2セクターで全体ベストを刻んだものの3番手に留まった。トップ3のギャップは僅か1000分の92秒だった。

ただし最前列2番グリッドに並ぶのはフェルスタッペンだ。ルクレールはエンジン交換ペナルティで10グリッド降格を受ける。4番手につけたセルジオ・ペレス(レッドブル)も同様の理由により5グリッド降格が科される。

予選を終えてスタンドのファンの声援に応えるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月22日F1アメリカGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

予選を終えてスタンドのファンの声援に応えるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年10月22日F1アメリカGP

メルセデスは週末を通して印象的な速さを見せていたが、最終的にはトップ2チームの牙城を崩すような力はなく、ルイス・ハミルトンは5番手、ジョージ・ラッセルは6番手でヘルメットを脱いだ。

トップ6とは異なり、トップ10の残り4枠は全て異なるチームが確保した。

ランス・ストロール(アストンマーチン)は1000分の92秒差でランド・ノリス(マクラーレン)を抑えて7番手をマーク。フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が9番手、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が10番手に続く結果となった。

アルファタウリ勢はピエール・ガスリーが13番手、角田裕毅が15番手と、目標に掲げていたQ3進出は果たせずダブルQ2ノックアウトに終わった。

COTAはコース幅が広くオーバーテイクのチャンスは豊富であるものの、驚くべきことに予選結果が重要だ。2012年にカレンダーに加わって以来、フロントロー以外から勝ったものは1人もいない。

予選Q1:母国ハースはW敗退

FP3に引き続き現地オースティンは晴れ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温30.3℃、路面36.7℃、湿度36%、気圧991hPaのドライコンディションでスタートした。

公式タイヤサプライヤーのピレリはハード(白色)にC2、ミディアム(黄色)にC3、ソフト(赤色)にC4コンパウンドを持ち込んだ。

母国レースのハース勢は、ケビン・マグヌッセンが1000分の17秒差で15番手を逃す16番手、ERSウォーターポンプの不具合でFP3を棒に振ったミック・シューマッハは19番手と、揃ってQ1敗退を喫した。

アロンソがQ3で奮闘した一方、チームメイトのエステバン・オコンは18番手と下位に沈んだ。

角田裕毅は残り5分のタイミングでノックアウト・ゾーンに沈んでいたが、最終アタックで自己ベストを更新。13番手でQ2に駒を進めた。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 カルロス・サインツ フェラーリ 1:35.297 4
2 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:35.795 + 0.498 4
3 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:35.864 + 0.567 3
4 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:36.148 + 0.851 6
5 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:36.163 + 0.866 3
6 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:36.195 + 0.898 6
7 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:36.446 + 1.149 5
8 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:36.465 + 1.168 6
9 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:36.577 + 1.280 6
10 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:36.656 + 1.359 9
11 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:36.695 + 1.398 6
12 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:36.746 + 1.449 6
13 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:36.808 + 1.511 6
14 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:36.860 + 1.563 6
15 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:36.932 + 1.635 9
16 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:36.949 + 1.652 8
17 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:37.046 + 1.749 6
18 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:37.068 + 1.771 6
19 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:37.111 + 1.814 8
20 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:37.244 + 1.947 8

予選Q2:ガスリー、ブレーキトラブル再発に不満爆発

ガスリーは前戦に引き続きブレーキに問題を抱えた。1回目のラップを計測できず、チーム無線を通して不満を爆発させた。14番手に終わった。

角田裕毅は当初、ガスリーの前につけていたものの、最終の計測ラップがトラック・リミットにより抹消された事で15番手に終わった。

ノリスは周冠宇(アルファロメオ)のトラック・リミットの恩恵を受け、10番手でQ3に滑り込んだ。

ローガン・サージャントが2023年のチームメイトになるとの計画が発表されたこの日、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は11番手タイムをマーク。今季セカンドベストの成績を収めた。

Pos Driver Team Time Gap Laps
1 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:35.246 7
2 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:35.294 + 0.048 7
3 カルロス・サインツ フェラーリ 1:35.590 + 0.344 7
4 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:35.692 + 0.446 12
5 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:35.732 + 0.486 12
6 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:35.864 + 0.618 6
7 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:35.988 + 0.742 11
8 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:36.032 + 0.786 12
9 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:36.321 + 1.075 12
10 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:36.341 + 1.095 12
11 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:36.368 + 1.122 15
12 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:36.398 + 1.152 12
13 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:36.740 + 1.494 11
14 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:36.970 + 1.724 15
15 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:37.147 + 1.901 12

2022年F1アメリカグランプリ決勝レースは日本時間10月23日(日)28時にフォーメーションラップが開始され、1周5516mのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を56周する事でチャンピオンシップを争う。

2022年F1第19戦アメリカGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:35.297 1:35.590 1:34.356 13
2 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:35.795 1:35.246 1:34.421 13
3 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:35.864 1:35.294 1:34.448 14
4 11 セルジオ・ペレス レッドブル・RBPT 1:36.163 1:35.864 1:34.645 12
5 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:36.148 1:35.732 1:34.947 18
6 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:36.195 1:35.692 1:34.988 19
7 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:36.860 1:36.032 1:35.598 15
8 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:36.465 1:36.341 1:35.690 18
9 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:36.446 1:35.988 1:35.876 17
10 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:36.746 1:36.321 1:36.319 18
11 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:36.932 1:36.368 15
12 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:36.695 1:36.398 12
13 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:36.577 1:36.740 11
14 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 1:36.656 1:36.970 15
15 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:36.808 1:37.147 12
16 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:36.949 8
17 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:37.046 6
18 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:37.068 6
19 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:37.111 8
20 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:37.244 8

コンディション

天気晴れ
気温30.3℃
路面温度36.7℃

セッション概要

グランプリ名 F1アメリカGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
設立 2012年
全長 5516m
コーナー数 20
周回方向 反時計回り

F1アメリカGP特集