2022年7月3日にシルバーストン・サーキットで行われたF1イギリスGPの決勝レーススタート直後の様子
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F1「完全に無責任」コース乱入デモを強く非難…一方でベッテルら一部ドライバーは共感

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7月3日(日)に行われたF1イギリスGPのレース中に抗議グループがコースに不法侵入した事件について、F1のステファノ・ドメニカリCEOは「許されない」「馬鹿げている」と強く非難した。一方でドライバーの中には一定の理解を示し共感する者もあった。

ターン1で発生した多重クラッシュにより赤旗が提示されたオープニングラップでは、事故現場の先にあたるウェリントン・ストレート(ターン5~6)にデモ隊が進入。コースに座り込んだ。

ノーサンプトンシャー州警察は赤旗解除を前に7名を逮捕した。その内の6名は7月5日(火)、公的不法妨害の容疑で告訴された。

警察は不法侵入者の背景について詳細を明かしていないが、化石燃料の使用停止を英国政府に求める環境保護団体「Just Stop Oil」が、一件は自分達によるものだとの声明を出している。

これについてドメニカリCEOはレース後、Sky Sportsのインタビューに応じ、抗議の「声」を上げる権利はあれど、マシンが走行中のコースに乱入して「ドライバーや自分達を危険に晒して深刻な事態を招く事」は「完全に無責任」で「全く以て愚かな事」だと非難した。

「これは許されない事だ。どんな抗議をしても良いし、発言の自由はあるが、これは本当に馬鹿げている」

一方で、抗議グループに対して一定の理解を示すドライバーもいた。

セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は「ドライバーやマーシャルといった関係者を危険に晒した」と非難する一方、複雑な心境であることを明かした。

「彼らの行動は失望ではなく絶望からきているものなんだと思う。彼らが抱えている恐怖や不安には共感するよ」

「僕らに降りかかっている問題の大きさを理解している人なら誰もが理解できると思う」

ファンからの写真撮影の求めに応じるセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、2022年7月3日F1イギリスGPCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

ファンからの写真撮影の求めに応じるセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、2022年7月3日F1イギリスGP

この事件はレース後のトップ3会見でも話題となった。

セルジオ・ペレス(レッドブル)は「大義のために戦う人々を見るのは素晴らしい」としながらも、第三者だけでなく自分達を含めて「危険に晒さないことが重要」だと指摘した。また、気候変動の問題に関連して「F1はもっとやらなきゃいけない」とも述べた。

カルロス・サインツ(フェラーリ)は、人々には抗議の声を上げる権利があるとしながらも、F1が2030年までのカーボンニュートラル達成を目指していることに触れて「F1のコースに飛び込む事が正しい抗議方法だとは思わない」と主張した。

セルジオ・ペレス(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)、2022年7月3日F1イギリスGP決勝トップ3会見Courtesy Of Red Bull Content Pool

セルジオ・ペレス(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)、2022年7月3日F1イギリスGP決勝トップ3会見

ルイス・ハミルトン(メルセデス)は「地球のために戦っている人は大好きだし、彼らのような人たちがもっと必要だ」と肯定的な見解のみを口にした。

これを受けてメルセデスは後に「ルイスは抗議権を支持していたが、彼らが選んだ方法は彼らや他の人たちの安全を脅かすものだった」との声明を出し、ハミルトン自身もSNSを通して抗議は「安全に行われなければならない」と付け加えた。

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