VW、ポルシェとアウディのF1参戦を基本承認!提携先として新たにザウバーとアストンマーチンが浮上
フォルクスワーゲン・グループ(VW)の監査役会がアウディとポルシェのF1参戦にゴーサインを出した。ただし最終決定は2026年以降のパワーユニット(PU)に関するレギュレーションの確定を待つ必要がある。ポルシェはレッドブルとタッグを組む見通しで、アウディはザウバーとのパートナーシップが囁かれる。
F1オーストラリアGPの開幕を翌日に控える4月7日に会合が行われた。ドイツ国内の複数の情報筋によると同グループの監査役会と経営陣はポルシェ及びアウディの傘下2ブランドによるF1参戦計画を支持した。早ければ次世代PUが導入される2026年に4輪最高峰のグリッドにつく事になる。
詳細については後日発表されるとの事で基本承認は得ているものの、現時点では最終決定は保留されており、契約書に署名・捺印が行われるまで正式発表は行われない。全ては2026年以降のF1レギュレーションの最終決定を待つ事になる。
次世代のF1パワーユニットは現行の1.6リッターV6ターボを維持する一方、MGU-Hが廃止されモーターをMGU-Kの1基のみとする事で合意されているが、広範囲に渡って未解決の問題があるため、予定の6月に全てが決まらず最終決定は今秋まで伸びる可能性がある。
ポルシェ及びアウディ関わる部分としては、新規参戦メーカーに対する特例措置が挙げられる。エンジンメーカーの予算上限、テストベンチ時間の制限に関しては、まだ議論が続いている。これにはホンダに代わって2026年からの独自PU供給を目指すレッドブル・パワートレインズの兼ね合いもある。チームはライバルが不当にアドバンテージを得る事を警戒している。
ポルシェの提携先がレッドブル一択だと見られている一方、アウディに関しては当初、取り沙汰されていたマクラーレンとのパートナーシップの可能性が徐々に薄れている。
アウディはF1部門を含むグループ全体の買収を目指して交渉を続けてきたが、マクラーレンは売却に殆ど興味を示さず、約5億ユーロ(約673億円)へと引き上げられた提示金額を退けたと噂されている。
代わって有力候補に挙げられているのがザウバーだ。現在、冠スポンサー契約の一環としてアルファロメオの名前を掲げている事からチーム名の変更に対する抵抗感は低く、かつてアウディでテクニカルディレクターを務めていたヤン・モンショーが技術チームのトップである事もその一因だ。同じく元VWのヨースト・カピートが率いるウィリアムズとの提携の可能性も指摘されている。
またここにきてアストンマーチンの名前が急浮上した。独自エンジンの製造に興味を示しているローレンス・ストロール会長がアウディに対して提携の可能性を打診したと伝えられている。その背景には、ブリックスワースのメルセデスHPPの株式取得交渉が思い通りに進まず決裂したとためだと取り沙汰されている。
なおHeilbronner Stimmeによるとポルシェはアウディとは異なり、テクノロジーパートナーとしての参戦を望んでおりパワーユニット開発には関心がないという。