トッド時代終焉…14度の中東ラリー王者、モハメド・ベン・スレイエムがFIA会長に就任
2021年12月17日にフランス・パリで開催された年次総会において、モハメド・ベン・スレイエムが国際自動車連盟(FIA)の新たな会長に選出された。2009年から最長3期に渡って同職を務めてきたジャン・トッドは任期満了で退任した。
アラブ首長国連邦出身のモハメド・ベン・スレイエム(60歳)はFIA加盟クラブからの投票で61.62%を獲得。当初本命と目されていたグラハム・ストーカーは36.62%に留まった。任期は4年。
New FIA President Mohammed @Ben_Sulayem with @FIM_live President @jorgepviegas today at the FIA Annual General Assembly in Paris#FIAAGA2021 pic.twitter.com/61TdTT10Wc
— FIA (@fia) December 17, 2021
ベン・スレイエム新FIA会長はカルメロ・サンズ・デ・バロスを上院議長に、ロバート・リードをスポーツ担当副議長に、ティム・シアマンをモビリティ担当副議長に任命した。
ベン・スレイエムはレーシングドライバー時代の1983年から2002年までの間に14回のFIA中東ラリーチャンピオンを獲得。2005年にはエミレーツ・モータースポーツ・オーガナイゼーション(EMSO)のプレジデントに、そして2008年には世界モータースポーツ評議会(WMSC)の中東担当副会長に就任した。
ベン・スレイエムはFIA会長就任に際して「本日、パリで開催された年次総会の締めくくりとして、FIA会長に選出されたことを大変光栄に思う」と語った。
「加盟クラブの皆様の信頼に感謝すると共に、グラハム氏の選挙活動と連盟への貢献を称えたいと思う」
「ジャン・トッド氏には、FIAとそのメンバーの名において、過去12年間の功績に心からの感謝を表したい。私はこの重要な職務を引き継ぎ、モータースポーツとモビリティを更に前進させていく事を約束する」
ジャン・トッドは「一つの章が終わりを告げた」と語った。
「過去12年間に渡ってモータースポーツ及びにモビリティの分野で達成した安全や持続可能といった成果は満足できるものだと考えている」
「チーム、管理部門、そして加盟クラブの揺るぎないコミットメントと熱意に心から感謝したい。モハメドのFIA会長就任を祝福するとともに、彼と彼のチーム、そしてFIAの今後の成功を祈る」
「FIA for Members」をモットーに、モータースポーツ人口の倍増とダイバーシティやインクルージョンの強化などを掲げて当選したベン・スレイエム新会長はその初仕事として、F1アブダビGPで発生したセーフティーカー解除を巡る際の一連のプロセスに関する「詳細な分析と解明」という難しい課題に取り組む事になる。