ホンダF1、最終年の最終戦の最終周で大逆転タイトル!田辺TD 感無量「地道な研究と努力が報われた思い」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)が一進一退の僅差の攻防を繰り広げ続けた2021年シーズンのFIA-F1世界選手権は、まさに歴史的一戦と呼ぶに相応しい劇的な結末を迎えた。
ポールシッターのフェルスタッペンはスタートで出遅れハミルトンに先行を許した。7度のF1ワールドチャンピオンは一切のミス無くレースをコントロール。完全試合を達成して前人未到の8冠目を手にするかに思われたが、ドラマは最終盤に待っていた。
残り6周でニコラス・ラティフィ(ウィリアムス)がクラッシュ。レース屋を自認するレッドブルは起死回生の逆転を狙ってフェルスタッペンをピットに入れ、ソフトタイヤを履かせてコースに戻した。先頭を走るハミルトンにはステイアウトの選択しかなかった。
リスタートを迎えたのは残り1周のファイナルラップ。チャンピオンを懸けたフェルスタッペンに残されたのは僅か1周16コーナーだった。フェルスタッペンはターン5でハミルトンをオーバーテイク。続くストレートで抜き返しを図るハミルトンを決死のディフェンスで凌ぐと、2秒差でこれを振り切り今シーズンのチャンピオンを獲得した。
Pos | Driver | Team | Time | PTS |
---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:30:17.345 | 26 |
4 | 角田裕毅 | アルファタウリ | +5.692s | 12 |
5 | ガスリー | アルファタウリ | +6.531s | 10 |
15 | ペレス | レッドブル | DNF | 0 |
ホンダにとっては最終年の最終戦の最終周での大逆転タイトルとなった。1981年にアイルトン・セナが初めて獲得したタイトルから数えて、ホンダとしては6度目のチャンピオン獲得という最高の形で有終の美を飾った。
ホンダF1の現場統括責任者としてチームを率いてきた田辺豊治テクニカル・ディレクターは「地道な研究と努力が報われた思い」だと喜び、最後の挑戦を総括した。
「2021年の最終戦、アブダビGPが終了しました。レッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手が優勝して、ドライバーズチャンピオンシップを獲得しました」
「ホンダは2015年からF1に参戦し、チャンピオンを目指してここまで挑戦を続けてきました。そして参戦最後の年、最終レース、ラストラップでレッドブルのフェルスタッペン選手がトップに立ち、チェッカーを受けました。我々の努力と挑戦が報われ、本当に感無量です」
「残念ながらコンストラクターズチャンピオンシップは逃しましたが、フェルスタッペン選手と共にドライバーズ・チャンピオンシップを獲得できた事を本当に嬉しく思います」
「チームメートのペレス選手については、パワーユニットのデータに異常が見られたため、最終盤にリタイアせざるを得ず、非常に残念に思っています。ただ、レースを通して、昨日に続いてすばらしいチームプレーを見せてくれました」
「アルファタウリ・ホンダの2台は、週末を通して見せていた良いパフォーマンスをレースでも発揮してくれました」
「角田選手は4位、ガスリー選手は5位と、今年一番の結果になりました。角田選手は、F1初挑戦の今シーズン、最終戦で今まで積み重ねた経験を十分に発揮し、ベストリザルトにつなげてくれました。すばらしいドライビングだったと思います」
「ガスリー選手も、12番手スタートからいいパフォーマンスでポジションを上げ、アルファタウリとして良い結果でシーズンを締めくることができたと思います」
「今回のプロジェクトの7年間は、さまざまな苦労と喜びがありました。その中で、HRD-Sakura、HRD-UKをはじめとして、オールホンダのエンジニアやメカニックが決してあきらめることなく開発を続け、いくつもの技術的なブレイクスルーを成し遂げてきました。地道な研究と努力の結果が実を結んだと思っています」
「また、我々とともに戦ってくれたレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリのメンバー、そして今まで一緒に戦ったすべてのドライバーに感謝の気持ちを伝えたいと思います。そして、苦しい時でもサポートを続けていただいたファンの皆さまにも、感謝を申し上げます」
「これで我々の挑戦は終わりますが、この経験は、将来のホンダの技術に必ず生きると確信しています。ホンダはこの先も、あらゆる領域での技術への挑戦を続けていきます。本当にありがとうございました」
Pos | Driver | Nationality | Team | PTS |
---|---|---|---|---|
1 | フェルスタッペン | オランダ | レッドブル ホンダ | 395.5 |
2 | ハミルトン | イギリス | メルセデス | 387.5 |
3 | ボッタス | フィンランド | メルセデス | 226 |
4 | ペレス | メキシコ | レッドブル ホンダ | 190 |
5 | サインツ | スペイン | フェラーリ | 164.5 |
6 | ノリス | イギリス | マクラーレン メルセデス | 160 |
7 | ルクレール | モナコ | フェラーリ | 159 |
8 | リカルド | オーストラリア | マクラーレン メルセデス | 115 |
9 | ガスリー | フランス | アルファタウリ ホンダ | 110 |
10 | アロンソ | スペイン | アルピーヌ ルノー | 81 |
11 | オコン | フランス | アルピーヌ ルノー | 74 |
12 | ベッテル | ドイツ | アストンマーチン メルセデス | 43 |
13 | ストロール | カナダ | アストンマーチン メルセデス | 34 |
14 | 角田裕毅 | 日本 | アルファタウリ ホンダ | 32 |
15 | ラッセル | イギリス | ウィリアムズ | 16 |
16 | ライコネン | フィンランド | アルファロメオ | 10 |
17 | ラティフィ | カナダ | ウィリアムズ | 7 |
18 | ジョヴィナッツィ | イタリア | アルファロメオ | 3 |
19 | シューマッハ | ドイツ | ハース | 0 |
20 | クビサ | ポーランド | アルファロメオ | 0 |
21 | マゼピン | RAF | ハース | 0 |
Pos | Team | PTS |
---|---|---|
1 | メルセデス | 613.5 |
2 | レッドブル ホンダ | 585.5 |
3 | フェラーリ | 323.5 |
4 | マクラーレン メルセデス | 275 |
5 | アルピーヌ ルノー | 155 |
6 | アルファタウリ ホンダ | 142 |
7 | アストンマーチン メルセデス | 77 |
8 | ウィリアムズ | 23 |
9 | アルファロメオ | 13 |
10 | ハース | 0 |