2021年F1ドライバーズチャンピオンに輝いたマックス・フェルスタッペンを祝福するホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクター、2021年12月12日F1アブダビGP決勝レースにて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

動画:山本MD 感極まる…最終年にして遂に掴んだ王座「誰一人を欠いても今日のホンダF1に至ることはなかった」

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第4期ホンダF1活動の最終戦で劇的勝利を収め、1991年のアイルトン・セナ以来となるFIA-F1世界選手権制覇を成し遂げたホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターが喜びを語った。

一時は絶望的に思われたマックス・フェルスタッペンのタイトル獲得に向けた挑戦は、レース最終盤のセーフティーカー導入に大きく後押しされ、ファイナルラップでのルイス・ハミルトン(メルセデス)のオーバーテイクによって遂に実現した。

激動の58周の終えて山本MDは「レッドブル・ホンダ、ワールドチャンピオンです。最後は劇的なレースになりましたが、チーム一同最後まで諦めなかった。これが全てだと思うし、7年間、本当にキツかったと思います。本当に皆さん、応援してくれてありがとう」と感極まった様子を見せた。

その後山本MDは「やりました!念願のチャンピオンです!!皆さんと一緒に獲ったと思っています」との喜びのメッセージを発した。

「今日は本当に劇的なレースで、最後の最後にチャンピオンが決まった形ですが、最後までもつれた今シーズンを凝縮したような結末で、メンバー全員が感動をもらいました」

「私自身『とてつもなく高いゴールであっても、挑戦を続ければいつか夢はかなう』と、今日のレース、そして今回のプロジェクト全体を通して実感することができました」

「そして今日のレースをもって、ホンダのF1プロジェクトが終了となりました」

「高度なハイブリッド技術を使用した新PUレギュレーションの導入に伴い、我々は2015年からPUサプライヤーとしてF1に復帰し、今日まで7シーズン、合計141戦を戦ってきました」

「ほかのライバルに比べると短い開発期間で参戦したこともあり、参戦当初は非常に苦戦し、どん底と呼べるような時期も味わってきました。それでも、コロナ禍などの困難も乗り越えて、最終年となった今年は強力なライバルを相手にチャンピオンシップを戦うなど、世界の頂点をかけて戦うところまで来ることができました」

「苦境にあっても常に前を向きながら地道に開発を続け、数々のブレイクスルーを果たしてきたエンジニア・メカニックたち一人ひとりの努力が実を結んだと思っており、ホンダの意地を見せるとともに、技術力の高さを証明することができたと感じています」

「もちろん、ここまで来られたのは、我々の力だけによるものではありません」

「一緒にチャンピオンシップを戦ってきたレッドブル・レーシングはもちろん、苦境にあった我々を明るさと共に迎え入れてくれたスクーデリア・アルファタウリ、今回のプロジェクトを一緒にスタートしたマクラーレン・レーシングや、常にトップを目指し全力を尽くしてくれた全てのドライバーたちなど、誰一人を欠いても今日のホンダF1に至ることはありませんでした」

「すべての仲間たちの情熱が、今のホンダF1を築いてきました」

「なにより、もっとも感謝したいのは、良い時も悪い時も熱い声援とともに我々を支えてくれたファンの皆さまです。先が見えない状況で、くじけてしまいそうな時でも、皆さんの強い後押しにより前を向くことができたメンバーは私一人ではないはずです」

「私自身、皆さんと一緒にPower of Dreamsを体現するんだという思いとともに、いつもレースを戦ってきました。少しでも多くの皆さんと、勝利の喜びや、負ける悔しさを共有し、『いつか世界の頂点に立つんだ』という夢を実現できたのであれば、これ以上うれしいことはありません」

「改めて、ホンダのF1プロジェクトに関わり、サポートしてきてくれたすべての皆さまに、この場を借りて感謝の言葉を送りたいと思います。本当にありがとうございました」

「今回の我々のプロジェクトを『成功』と呼べるのかはわかりません。ただ、このチャレンジが皆さまの記憶に残り、今後、皆さま自身が夢に向かってチャレンジする際に、少しでも勇気を与えるようなことがあるのであれば、それは私たちホンダにとっては一つの成功であると言えるのかもしれません」

「我々のF1での冒険は、残念ながら今日のアブダビでのレースをもって終了します。ここからホンダは、F1で培った技術力や人材の力を用いて、カーボンニュートラルに対する取り組みという、新たなチャレンジに向かうことになります」

「また、F1でもレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリが、我々の開発したPUの使用を続けていくことになります。これまでとは異なった領域、チャレンジになりますが、新たなチャレンジに対し、皆さまからご声援をいただけますと幸いです」

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