ピレリ・ポールポジション・アワードを手に笑顔を見せるレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンと握手を交わすヘッド・オブ・カーレーシングとしてピレリF1の現場を統括するマリオ・イゾラ、2021年12月11日F1アブダビGP予選にて
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

フェルスタッペン「それが理由じゃない」ペレス献身の”牽引プレー”に感謝もポールへの影響を除外

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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは12月11日(土)のF1アブダビGP予選を終えて、僚友セルジオ・ペレスの献身的プレーに感謝する一方、牽引によるゲインは僅か「0.1秒」ほどだとしてポール獲得への影響を除外した。

チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが明かしたように、チームは事前にスリップストリームを分け与える戦略について協議していた。ダウンフォースを削り、トウを使う。それが直線区間でメルセデスに対抗し得る「唯一の対抗策」だと考えた。

ペレスはQ3の1回目の自身のラップを犠牲に、2本のバックストレートでチームメイトにスリップストリームを与えた。フェルスタッペンは1分22秒109という途方もないタイムを叩き出し、メルセデスのライバル、ルイス・ハミルトンにコンマ3秒以上の差をつけ今季10度目のポールポジションを手にした。

フェルスタッペンは「チェコは本当に素晴らしいチームメイトだし、一緒に仕事をしていて本当に楽しい。だから彼に心からお礼を言いたい」とする一方で、トウによる影響については「確か凄く良かったし上手くやれたと思うけど、差がついたのはそれが理由じゃない。ターン9に向けてコンマ1秒は稼げたかもしれないけど、そんなに長いストレートじゃないからね」と説明した。

なおクリスチャン・ホーナーもトウによるゲインを「コンマ1・2秒」と推計している。

ペレス、再現不能の完璧な援護

リザルトこそこれ以上ない最高の結果だが、決勝レースに向けての懸念材料もある。フェルスタッペンはQ2の1回目にミディアムタイヤを履き、次のラウンドに突破するに十分なタイムを刻んでいたものの、どういう訳かその後、ターン1でフラットスポットを作った。仮に駆け引きでないのなら完全な失態だ。

フェルスタッペンは「もちろん、あれは予定外だった。ミディアムでスタートしようと思っていたんだけど、フラットスポットを作ってしまった」と認めながらも、決勝への影響を軽視した。

「でも、昨日のロングランでのソフトの感触は良かったから、『よし、じゃあソフトでいくか』って決断するのは特に難しくはなかった」

2021年12月11日のF1アブダビGP予選を終えてP1ボードの前にレッドブル・ホンダRB16Bを停めるマックス・フェルスタッペン、ヤス・マリーナ・サーキットにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

2021年12月11日のF1アブダビGP予選を終えてP1ボードの前にレッドブル・ホンダRB16Bを停めるマックス・フェルスタッペン、ヤス・マリーナ・サーキットにて

少なくともポイントという観点から言えば、今シーズンのドライバーズチャンピオンシップ争いは71年に及ぶF1史の中で最も激しくタイトだ。フェルスタッペンとハミルトンは史上最多22戦を終えて同一の369.5ポイントで並び、日曜の最終決戦に臨む。歴史的な瞬間となるのは間違いない。

「明日も今日みたいなパフォーマンスが出せれば良いんだけど、保証は何もない。本当に激しい戦いになると思っている」とフェルスタッペン。

「特に過去数戦のメルセデスの調子を考えると、決して楽なレースにはならないはずだ。今はただ、明日を楽しみにしてる。だってそれが何より重要な事だからね」

2021年シーズンのF1フィナーレを飾る最終第22戦アブダビグランプリの決勝レースは、日本時間12月12日(日)22時にスタート。1周5,281mのヤス・マリーナ・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。

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