F1史上47年ぶり、同一得点で最終戦…フェルスタッペンがハミルトンに敗北してなお戴冠する条件
第21戦サウジアラビアGPを終えて、2021年シーズンのFIA-F1世界選手権は47年ぶりに、ドライバーズ・チャンピオンシップが同一ポイントで最終戦を迎える事になった。
先週末にジェッダ市街地コースで開催された前戦ではルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝し、ランキング首位に立っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が2位に終わった事で、最終第22戦アブダビGPを前に両者が369.5ポイントで並んだ。
シーズンフィナーレを迎えるに際してドライバーズ選手権トップが同点で並ぶのは71年のF1の歴史の中で2度目。1974年はエマーソン・フィッティパルディとクレイ・レガツォーニが同一得点で並び、最終第15戦で4位フィニッシュしたフィッティパルディが栄冠を手にした。55点対52点と、3点差での決着となった。
同一ポイントであるため戴冠条件は「ヤス・マリーナ・サーキットで上位でフィニッシュした者がタイトル」という極めてシンプルなものかと思いきや、実はフェルスタッペンがハミルトンに敗北してなお、タイトルを獲得できる状況が存在する。
それはハミルトンが9位(+2点)に終わり、フェルスタッペンが10位(+1点)でフィニッシュした上でファステストラップを刻んでボーナスの1点を手にした場合だ。
こうなると両者は再び371.5ポイントで並ぶ事になる。F1スポーティング・レギュレーションでは同一ポイントとなった場合、優勝回数が一番多い者をチャンピオンにするとの規定がある。
フェルスタッペンは9勝、ハミルトンは8勝であるため、上記のシナリオの場合にはフェルスタッペンが初のF1ワールドチャンピオンに輝く事になる。両者がリタイヤに終わった場合もフェルスタッペンがタイトルを獲る。
なおコンストラクターズ選手権に関してはメルセデスが587.5ポイント、レッドブル・ホンダが559.5ポイントと、28ポイントもの開きがある。
アブダビで獲得可能な理論上の最大ポイントは優勝+ファステストラップ+2位の44ポイントであるため計算上は逆転が可能だが、シルバーアローの2台が共に6位以下など、非常に限られたシナリオの場合にのみ達成可能で、現実的にはかなり厳しい状況と言える。