ランド・ノリス、表現できない程に”最高の気分”も「ソチでだけはポールを獲りたくなかった」
F1第15戦ロシアGP公式予選でキャリア初のポールポジションを獲得したランド・ノリス(マクラーレン)はセッションを振り返って、表現できないほど「最高の気分」と喜びをあらわにする一方、ソチ・オートドロームでだけは「ポールを獲りたくなかった」と語った。
この日のグリッド争いはウェットからドライへと変化する難しい路面コンディションの中で行われた。ノリスは路面状況を的確に読み取り、カルロス・サインツ(フェラーリ)を抑えるセンセーショナルな走りで初のポールを手にした。
ただしソチの最初のブレーキングポイントまでは約890mもあり、決勝レースではトウを取られて後続のドライバーにオーバーテイクを許す危険性がある。
F1史上102人目のポールシッターとして、マクラーレンに2012年のF1ブラジルGP以来となるポールをもたらした21歳のイギリス人ドライバーは「全く以て最高の気分だけど、何て表現して良いのか分からないよ」と自身の快挙を振り返った。
「僕にとって初めての事だし、当面の間はポールポジションを獲れないかもしれないわけで、それに今日のコンディションがこんな感じだった事を思うと尚更にアメージングな気分だよ」
「路面は本当にトリッキーで、かなりのリスクを負ってラインを選び、それが報われるかどうかを試してみなきゃならなかったけど、上手くやる事ができた」
「初めてのポールで本当に素晴らしい気分だけど、ここでだけはポールポジションを獲りなくなかったんだよね。だってここはターン1に向けてのストレートが長いんだもん」
「でも、そうは言っても本当に満足だよ」
ノリスは予選中にレースエンジニアから話しかけられるのを好まないドライバーだが、予測不能なコンディションの中での1ラップバトルという事で、今回は自身から積極的に情報を求めていた。
「ジョージ(ラッセル、Q3で最初にインターミディエイトからスリックタイヤに交換)に関する情報を伝えてってお願いしていたんだ」とノリスは語る。
「走行中も(コース上に設置された)映像を見て、彼のラップがどんな感じなのか、調子はどうなのかって事を確認していたし、上手くやっているセクターやコーナー、逆に苦労している場所等の情報を教えてくれって伝えていたんだ」
「それによってどのセクターが速く、どのセクターが少し濡れていてトリッキーなのかを知る事ができたと思う」
「でも今日のF1のQ3は、ある意味、世界で最高の10人がラップを競う合う場だから、時には限界を超えてコーナーを通過し、自ら見極めなきゃならない」
「少しハードに突っ込んだら全てが台無しになってしまうかもって思ったコーナーがたくさんあったけど、そうはならなかった」
「これはポールを手にするために必要な水準のドライビングなんだ。リスクを冒して決断したことが報われて良かった」
「特に最後のシケインはかなり濡れていたから、何度も酷いホイールスピンとスナップが出てしまったけど、冷静に対処して無事にガレージに戻る事ができた」
期待膨らむ最前列トップグリッドだが、ノリスはポール・トゥ・ウインを期待してはいない。後方には4番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)をはじめ、ドライコンディションのロングランペースでMCL35Mより遥かに速いマシンが連なっている。
「マクラーレンが再び勝てれば最高だけど、期待しちゃいないよ。メルセデスとの差はかなり大きいし、レッドブルもおそらく似たようなものだろうからね」とノリスは付け加えた。
2021年 F1ロシアグランプリ決勝レースは、日本時間9月26日(日)21時にスタート。1周5872mのソチ・オートドロームを53周する事でチャンピオンシップを争う。