フェルスタッペン、意外にもザントフォールトでのレース経験は1回のみ「勝てたら最高!」母国戦へ意気込み
マックス・フェルスタッペンにとって、次戦オランダGPは待ちに待った文字通り待望の母国レースとなる。当初は昨年の開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響で1年延期された。
ベルギー生まれのオランダ人ドライバーは1985年以来、36年ぶりのF1復活を遂げる今週末の母国グランプリで、2週連続での母国優勝という激レア記録の達成を目指す事になる。舞台となるのはザントフォールト・サーキットだ。
週末を前にフェルスタッペンは「ザントフォールトでのレースが本当に楽しみだ。地元のファンの前でレースができるのは本当に素晴らしい事だけど、それと同時に新しいコースでF1マシンの限界を見出していくのはドライバー冥利に尽きるチャレンジでもあるしね」と語った。
「オーストリアやベルギーでも多くのファンが応援してくれていた。本当に印象的だった。今週末はグランドスタンドのみんなのために素晴らしいショーを披露できればって思ってる」
「コース的に言えばオーバーテイクは少し難しいかもしれないけど、シングル・ラップのパフォーマンスを追求していくのは本当にやりがいのある仕事になると思う」
「1ラップがかなり速くなる事が予想されるから、何であれ予選でミスをすれば大きな痛手に繋がる事になる」
「去年が中止になってしまったから、今回のイベントはより特別なものになると思う。オレンジ・アーミー(フェルスタッペン応援団)前で、僕にとってのもう一つのホームサーキットで勝てたら最高だね」
F1以外のシングルシーターでのシーズンが2014年の1年のみであった事を考えれば納得の事実ではあるものの、意外にもフェルスタッペンがザントフォールトでレースをしたのは2014年のF3マスターズでの1戦しかない。
フェルスタッペンはフォルクスワーゲン・エンジン搭載のダラーラF311を駆り、1分32秒628でポールポジションを獲得。25周のレースでは後続に9.7秒差をつけて優勝を飾った。
ザントフォールトはF1カレンダー復帰に際して、F1開催要件のFIAグレード1規格を取得するためにコース改修を行った。中でも18度ものバンクが設けられたターン3とターン14は注目の一つだが、当時と比べてコースはどのように変わったのだろうか?
「ザントフォールトでレースをしたのは1回だけだし、それもF3マシンだった。当時は『あのフェルスタッペン(父ヨスの事)の息子ね』なんて呼ばれていたけど、今は逆になっているだろうね(笑)」とフェルスタッペン。
「当時と比べるとコースは当然変わっていて、幾つかのコーナーが改修されている。F3マシンで走った時もコーナーが本当に楽しくスピードも出ていたから、よりグリップ力が高いF1マシンでのレースを本当に楽しみにしている」
「それにレッドブルと一緒に旧型のF1マシンを使って何度かショーランをした事もあるし、数周だけど改修後のコースをF1マシンで走った事もあるから、そうした経験が週末の出だしで役に立つと思う」
前戦ベルギーGPは雨の影響でF1史上最短の1周レースとなった。スタート及びフィニッシュライン間の124mのオフセットを全長から差し引くため、レース距離としては僅か6,880mの戦いだった。
フェルスタッペンはセーフティーカー先導下、3分27秒071でトップフィニッシュを飾った。時速換算で119.611kmという超低速でのラップだった。「F1史上最短のレースで優勝した後の気分はどう?」と問われたフェルスタッペンは次のように答えた。
「期待していた勝ち方ではなく、望んでいた形の週末でもなかったけど、それでも勝ちは勝ちだし、ポイントは両チャンピオンシップにとって重要だ。どんなチャンスであれ、僕らはそれを最大限に活用しなきゃならない」
「もちろんドライバーとしては、レースを戦ってファンに素晴らしいショーを見せたいと思っていたけど、レースを続行するのが簡単な決断でなかった事は明らかだった」
「視界が悪く安全と言える状況じゃなかったし、決定を尊重すべきだと思ってる」
F1オランダGPは、日本時間9月3日(金)18時30分からのフリー走行1で幕を開ける。