問題ないのに何故? アルピーヌF1が不振続くエステバン・オコンのシャシーをイギリスGPで変更した理由
アルピーヌF1チームは第10戦イギリスGPに先立ち、不振続くエステバン・オコンのシャシーを変更すると共に、31号車A521に「大規模な変更」を加えた。
オコンは好調なシーズンスタートを切って母国フランスGPを前に3年間という長期の契約延長を手にしたものの、安泰の将来を手にして以降は一度もチームにポイントを持ち帰る事ができていない。
特にレッドブル・リンクでの連戦では共に予選17位とQ1敗退を喫し、オーストリアGPでは1周目でクルマを降りるなど厳しい状況に置かれている。
オーストリアでの連戦を終えて、不振の原因は自身のクルマにあると考えたオコンはチームに対して車体を交換するよう要求。アルピーヌはシルバーストンでの週末を前にその願いを聞き入れた。
エグゼクティブ・ディレクターを務めるマルチン・ブコウスキーは「エステバンにとって明らかに不本意な週末だったからこそ、何か問題があるのではないか、問題があるとすればそれは何なのかを理解するために、ファクトリーやエンジニアたちと一緒にかなりの作業を行った」と説明した。
「エステバンはオーストリアの2戦で苦しんだが、その背後に技術的な理由があるかどうかはまだ調査中だ。疑いを根絶するためにチームは新しいシャシーを含むシルバーストン用の彼のクルマに大規模な変更を加えることを決定した」
ただし交換の理由については、フロントサスペンションに些細な問題があった事を認めつつも「シャシーに問題があったわけではない」と主張。「ここ(英国)は我々のファクトリーに非常に近いため、地球の反対側にいる場合よりも(シャシーを交換するのは)少し容易」であり「リセット」するには好都合だったと続けた。
無論心理面への影響は大きいだろうが、交換が技術的な観点から功を奏したのかどうかはさておき、オコンは16日のFP1で10番手タイムを刻むと、続く公式予選ではチームメイトのフェルナンド・アロンソにコンマ1秒ほど届かなかったものの、3戦ぶりにQ2突破を果たした。
なおアロンソはアンダーステアが酷いとして、FP1のセッション中にA521に不満をぶつけていた。